働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ブラス・オブ・シェルオール 新世響奏の姫騎士I

ブラス・オブ・シェルオール 新世響奏の姫騎士I (ファミ通文庫)
名門吹奏楽部員が異世界では未知の楽曲を奏でる天才音楽家!?
名門吹奏楽部でトランペットのパートリーダーを務めるハルトは、ある日謎の光に包まれ気づけば異世界に!?なんとそこは、数曲の賛美歌しか楽曲が存在しない音楽的発展が止まった世界シェルオールだた!
そしてハルトは、新しい音楽を追い求める少女リゼットと出会うのだが、この世界にはない楽曲を知る彼の演奏を聴いた彼女は大興奮!
彼こそ新時代の天才音楽家だと勘違いしてしまい!?
二人の音色が世界を変えるボーイ・ミーツ・ガール開演!





一言で表現するならこれは『音楽』と『異世界ファンタジー』を織り交ぜたラノベですね。日本において実力と才能を併せ持つ主人公の“久籐ハルト”と異世界の音楽に革命を起こすために猛進する“リゼット”が出会ったことで巻き起こるボーイミーツガール。
もともとこの異世界には音楽そのものが存在せず、ある一人の人物によって作り上げられた文化。しかしその人物もやがては亡くなり、残った功績を称えるあまり彼の残した讃美歌は神聖視され、『賛美歌から外れる音楽は邪道』となった。
そんな異世界で音楽の無限の可能性を信じて行動を起こしていく音楽ファンタジーなわけですが、とにかく音楽がもたらす奇跡を際立たせる演出がよかったです。どう考えても異世界に根付いているクッソつまんない音楽より“ハルト”“リゼット”の奏でる音楽のほうがすばらしいんですよ。でもこれまでの長い歴史と常識から、たとえすばらしい音楽を聴かされても「こんな音楽認められないんだからねっ!」なツンデレな反応しかできない。そんななかで徐々に変わる周囲の評価と音楽に免疫のない異世界でもたらした奇跡。
OVL文庫の『きんいろカルテット』とはまた違った音楽を題材にしたラノベですので是非読んでみてください。