働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

災厄戦線のオーバーロード

災厄戦線のオーバーロード (富士見ファンタジア文庫)
異次元の扉が開き、人間の想像力から発生する怪物“グラフ”が現れる日本。その甚大なる災厄を、次元の狭間で防衛するために、次元狭界管理機構は設立された。“グラフ”と戦う戦闘員の中でも桁違いの異能を持ち、17歳にして支部のトップに君臨する笹宮銀は退屈していた。「弱者が強者を倒す」逆転劇に憧れる彼は、自分の強すぎる能力に不満を持っていたのだ。ある日、銀はある少女を見出す。それは“物体を3センチだけ動かせる”という能力の口原琴音で―『最強』が『最弱』を導くとき、真実の力が覚醒する!






『物質を3センチだ動かす』使いどころのわからない最弱の能力者を最強の能力者が覚醒へと導く。この3センチだけ動かすっていう抽象的な能力の真価を見極めるために行われた訓練や実験の数々が異能力バトルにおいての成長にしっかりと繋がっているあたりは2巻への期待値が高まってくる。都合のいい覚醒とかチート能力で強大な敵をなぎ倒すのもいいけど、こういう異能力の使い方を工夫した展開っていうのはまた違った面白さがあっていいね。異能力バトルに対してあこがれのあった笹宮だけあって、異能力に対する目の付け所が鋭い。異能力バトルっていうのはシンプルで曖昧な能力のほうが解釈の仕方によってあらゆる可能性を秘めてるんだよね。
今回に関しては『三級イレイザー(口原琴音)』VS『一級イレイザー(水瀬羽流雲)』の対戦カードは突如現れた異次元からの来訪者である怪物“グラフ”によってお流れになったけど、再戦の約束もきっちり取り決められているので、力を得た口原がどれだけ水瀬に喰らい付いていけるのかが気になるところ。ファンタジア大賞作品のなかで個人的に一番オススメのラノベ