「イチノ、あなたは、私たちに協力するしかないんです」
“八咫烏”のメンバーだと明かしたシオンが手にしていたのはイチノの最優先目標であるメモリーフラグメントだった! 交換条件として提示されたのは、イチノをレベル99に仕立て上げ、デジタルへの移民を強要するもので…。そんな中、“アストラル・イノベーター”内はデジタルイミグラント遂行のため、運営のチートによる『全プレイヤーソウルアウト不可』の影響で大パニックに陥っていた。サクラはヒルトルートたちと共に計画阻止のため“八咫烏”へ潜入を試みる。絶望の中、イチノとサクラは限界を超えて更なる高みへ至る!!
コンプリートノービス完結!
イチノの妹の恋も無事に救済できてハッピーエンド。恋のメモリーフラグメントを集めるにあたり何故か毎度のごとく絡んでくることになるカレンの正体に関して、身も蓋もない言い方をすると予想通りな展開だったけど、それでもこれまで昏睡状態であった妹の恋が無事に救済されることになってよかったよ。
これまで地道にメモリーフラグメントを集めてきていたのに、最後の最後で運営側の人間である“八咫烏”がしゃしゃり出てきた結果、イチノが最強のレベル1であり続けてきたことや超人的プレイヤースキルをもってしても絶対に勝てない状況に陥った時の勝ち方が急ピッチ過ぎたこととかいろいろとあるけど、無事に完結までかこつけることができてよかったよかった。
最終決戦らしくこれまで登場してきた主要メンバー総出で“八咫烏”に挑んでいくあたりが「これが最終決戦だ!」と言わんばかりの演出。「ここは俺たちに任せて先に行け!」な展開もやっぱり最終決戦らしくて楽しかったぜ。
コンプリートノービスも無事に完結することになったし、あとは田尾先生がMF文庫Jから刊行されている『虚構戦役の戦導師<アンシミュレイテッド・インキュベーター>』を楽しみにしながら次回の新作に期待しよう。