イケメンの津軽道幸はもうモテたくなかった。一生懸命告白してくれる女の子を振るのがとてもつらかった。だから彼は、悲しませた女の子の人数が累計100人に達したとき、「髪、ダサい。眼鏡、ダサい。制服、ダサい。よし!!」三人の姉によって作り上げられた『無敵モテ男』から脱却することを決めた。さらに彼は校則で恋愛が禁止され、恋愛討伐委員会が存在する紅葉高校に転校を決める。だがそこで、その恋愛討伐委員会と関わりが深く、学校で最も有名な天城四姉妹と関わることになる―。
幼少期より三人の姉によって仕立て上げられた『無敵のモテ男』の正体は、姉たちが理想とするかっこいい男性像。『天才棋士』として活躍していた頃の勝負勘、『足の速い男の子はモテる』といわれ身に着けた俊足。学校で最も有名な天城四姉妹と関わるごとに、豊富なモテ男バリエーションを披露してきてフラグを着実に建てていく、オーバーラップ新人賞佳作受賞をうなずけるラブコメものでした。
四姉妹全員に接触してフラグを建てていくの流れもスムーズでテンポよく進んで行ってくれたので読みやすかったし、普段からラノベを読み漁ってる自分にとってはむしろこういうストレートなラブコメ作品は気楽に読めてかなり楽しめました。四姉妹の性格はバラバラで熱血スポーツ少女もいればインドア派な秀才キャラもいて、読んだ人によってお気に入りなキャラが割れそうな個性豊かな女の子たちでした。四姉妹と関わりを持っていく中で知ることになる彼女たちの悩みを華麗に解決していってフラグを建てていき、アプローチを仕掛けるところに癒された。
個人的に一番のお気に入りは口絵で将棋を指している天城一輪。やっぱり伏し目で普段はクールなキャラクターがあることをきっかけにデレだした瞬間ってのがとにかくたまらなく可愛い！ イラストレーターさんの描いた一輪がとにかく可愛かったってのもあるけど、やっぱりあのクールなキャラクターが一番のポイントだな。
ラブコメ作品として見事に四姉妹とフラグを建てた主人公が生み出した火種と、終盤になって明かされた四姉妹同士の秘密に関して。2巻もちょっと気になるから買いたいと思います。
