伝説の勇者と認められし俺・クロノスはある日、「魔王打倒のために選ばれし乙女たち」の指導を、女神から任命される。最強勇者の名にかけて、と燃える俺を待っていたのは、気の強い子猫みたいなミア、おっとりだけどドSなシルフィー、陽気な暴走娘ライア。スライム相手に全滅しかけるレベルの勇者パーティで、更には俺のことを下僕扱い!言うことを全然聞かないヤツらだけど、俺が育てるんだから最強にしてみせるぜ。
デビュー作である『勇者リンの伝説』が完結してから長い月日を経て刊行された新作。作者名を目にした瞬間に「とうとうきたか!」と真っ先に飛びついた次第でございます。
コメディ要素を前面に押し出してくるドタバタゆるふわ冒険ファンタジーと呼べばいいのかな。もうなにからなにまで突っ込みどころが満載過ぎてお腹がよじれるくらいに笑えてくる。
パーティー唯一の常識人兼突っ込み役のポジションにいるクロノスに対して、ミア&ライア&シルフィーのボケ担当三人娘。クロノス一人しか突っ込みがないせいで彼のセリフが全て全力の叫び。この三人の畳み掛けるようなボケの連打。右に行けと願えば左に進み、息つく暇もないくらい罠という罠にひっかかり、果ては目の前の毒の沼地をわざわざ泳いで自ら進んで瀕死状態に陥る始末。
パーティーの司令塔的存在のクロノスも言うことを全く聞かない三人に根気よく指示を出してはいるが、当の本人たちは自分のやりたいスタイルで冒険をする。ダンジョン内で敵に囲まれる窮地にあたっても、安定したボケの連打でシリアスな空気を吹き飛ばしてくれる。このカオスな展開の連続がやっぱり好きですね。うん、勇者リンの伝説を思い出すね。
ダンジョンと言えば『セーブポイント』『モンスター討伐の金銭ドロップ』『宝箱』などなどのダンジョンを連想する要素があげられるけど、その点もこの作品独特の世界に落とし込んできているというか。
ひとつ例をあげれば、『モンスター討伐の金銭ドロップ』の裏には、クロノスがクエストで稼いだ金をモンスターにぶち込むことでゲーム感を演出していたという事実があったり。いやー、そういう視点でみちゃいますか。視点が広いというか納得したくないけど納得できてしまう設定がなんとも言えない。(上手く説明ができていない気がする)
さて、この作品は何巻まで続くことになるんですかね。もちろん完結するまで追いかける予定ではあるけど、できるだけ長くこのラノベは楽しみたいです。
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