働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術3

異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術3 (講談社ラノベ文庫)

《あらすじ》
MMORPGクロスレヴェリに似た異世界へ召喚されたディアヴロは、手違いで奴隷としてしまった豹人族のレムと、エルフのシェラを従え、異世界ライフを過ごしていた。そこへ魔族エデルガルトが現れて『レムの中に封じられている魔王クレブスクルムを復活させるのに協力しないか?』と持ちかけてくる。以前、レムの中の魔王を取り除く、と約束していたディアヴロは―内心は怯えつつも、いつもの魔王ロールプレイを発揮して、魔族の提案に乗ってしまう!「魔王クレブスクルムを復活させ、この俺が倒す!」ロールプレイVS本物!?いずれ世界を震撼させる魔王(演技)が絶対的な強さで突き進む異世界冒険譚、第三幕!

言うまでもなくファンタジー世界を舞台にしたラノベに特有の面積の少ない衣装までは許容範囲としておくにしても、作者によるあとがきで「ここまでのびのびにやってもいいのかな」がR18ギリギリのラインを彷徨う結果になるとは思わなかったです。
MMORPGとそっくりの異世界に召喚された魔王ディアヴロが意図せずに『奴隷魔術』を反射させてしまい、レムとシェラに奴隷契約の証であり決して外すことのできない首輪を装着させるのも淫猥な要素ではあるけれど、今回は担当編集の悪乗りもあったのかこれまでにないくらいにぶっ飛んだ内容に仕上がっていて刺激的な内容でした。


これだけエロ要素を強烈に押し出しているにも関わらず、数多くの作品を世に出してきたベテラン作家だけあって内容も面白いときているからなんか悔しい! 日本の引きこもりコミュ障ボッチが異世界でコミュニケーションをとるためにとった『魔王のロールプレイ』で尊大で王様気取りなセリフを放って、決して下手に出ずに覇道の前に立ちはだかる人間に容赦はしない……というスタイルが、敵を煽りまくっていくところがなんとも言えない。ただでさえ『我は魔王である!!』と声高々に喧伝しまくっているだけあって、『魔王討伐!!』を意気込んでくる敵キャラが目の前にいるにも関わらず何故か煽っていく魔王ディアブロ。むしろ自分で勝手に作り上げた魔王ディアヴロというキャラクターの個性を一貫して通すために、『このシチュエーション、ディアヴロならどんな態度をとるべきか……』と、自分で自分の首を絞めるほどに追い込まれることもしばしば。滑稽すぎて見ていておかしくなってくる。