働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

六畳間の侵略者! ? 21

六畳間の侵略者! ? 21 (HJ文庫)

《あらすじ》
皇帝・エルファリアを害するため、クーデター軍が本格的に動き出した!暴走する軍部と決着をつけるべくフォルトーゼへ向かうティア親子に、六畳間の仲間たちも同行を快諾。しかし、地球にも既に刺客が送り込まれていて…?そして、孝太郎たちの戦いの舞台はついに宇宙へ!二千年の時を越え、青き騎士と黄金の姫が紡ぐ新たな“伝説”が幕を開ける!!

かつての孝太郎が青騎士として救い、そしてティアとルースの故郷でもある神聖フォルトーゼ王国がクーデター軍の反乱にあって騒動が勃発していることを知った六畳間のメンバーが、今度は宇宙を越えて戦いに挑むことになりました。
これまでフォルトーゼが登場した巻といえば、自分が『六畳間の侵略者』というラノベをアニメを期に読み始めて一番心に残った6.5巻と7.5巻だったと思います。2000年前のフォルトーゼで青騎士の伝説が語られる発端となった、青騎士=孝太郎とアライア姫の物語の全貌を読んで今回の孝太郎たちがフォルトーゼの危機を救いにいく物語を読むと、この長いシリーズを経て積み重ねてきたものがいろいろと込み上げてくるものがあります。
かつては六畳間の部屋をめぐって争っていた少女たちが今では多くの想いを胸にこれからの人生を考えていくシーンが、とくにここ最近では増えてきたします。ティアに至っては『孝太郎との間に異世界人の自分との間に子供を授かることができるのか?』、見た目は同じ人の形をしていても、遺伝子的な理由から孝太郎の子供を授かることは不可能なのではないかと真剣に悩んでいるティアの姿が、もうそこまで深い関係性を築き上げるまでに至ったのかと思うとすごくグッときました。あと、日本の女性雑誌の結婚特集を物欲しそうな視線で見ているティアとそれを手に入れて誰にも読んでいる姿を見られないように忍んでいる姿が、ちょっとだけ可愛らしかったです。

フォルトーゼに訪れた危機を救うに際して、日本からフォルトーゼに移動するまでの移動手段の確保と追ってからの追撃を逃れるための画策。クーデター軍がフォルトーゼ現皇帝を陥れるために張り巡らせてきた手段によって、現皇帝をうつ為に差し向けられたフォルトーゼの兵士たちが「自分たちが討とうとしているのは本当に噂どおりの人物なのか?」などの疑問を抱く人間が現れて始めたときもちょっとグッときました。これらの小さな火種が次巻ではどう活かされていくのかかなり楽しみです。