働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

オレと彼女の萌えよペン (5)

オレと彼女の萌えよペン (5) (ファンタジア文庫)

《あらすじ》
茉莉やエミリちゃんがサンタコスして仕事したり、初詣に行ったり…そんないつもの仕事場に激震が走った!人気作の煽りを受けて『バトアイ』が打ち切りだって!?折れそうになる俺を支えてくれたのは…パートナーの茉莉だった。そんな俺たちに与えられた連載権を賭けた漫画グランプリへの挑戦。人気作家や、才能ある同期の一ノ瀬たちに、今度こそ負けない新作を2人で作り始めた。そして俺は見つけた。自分にとっての「萌え」を!今なら、最高の漫画が描ける気がする。茉莉と一緒なら、きっと―!

ふたりの高校生漫画家の恋愛模様もこの巻でとうとう完結!! 同作者の『お前をオタクにしてやるから俺をリア充にしてくれ』に続いて、ラブコメオンリーにも関わらずヒロインたちの心の機微が何気ないところにあらわれている姿が面白くて、鈍感な主人公を差し置いて繰り広げられるちょっとした修羅場が楽しめる作品でした。
出会った当初はふたりの漫画家による共同作品としてひとつの漫画を書き上げるところから始まって、気が付いたらお互いに意識しあう関係にまで変化していき、最後には漫画家らしいシチュエーションでの告白にまで結びつく。連載を勝ち取ってから面白い作品を書き続けるためにストイックに漫画家活動に励む中でストイックに励む姿もかなりリアルに描かれていることもあって、目の前の困難を乗り越えるたびに結束していくふたりの関係性がより強固に結びついていく感じがして、これだけお互いにわかりあえている関係性なら恋愛に発展するのもうなずけますね。

もちろん主人公の君島泉とパートナーである生駒茉莉以外にも同期の漫画家の一之瀬白雪やアシスタントの椿衣実理といったヒロインに対しても、無自覚で親身に接してくれる主人公の好感度の高さから良い関係性を築き上げていってそれが茉莉の耳に入っていくことで激怒される鉄板イベントもありますが、5巻という短い巻数での完結ということもあってか、ふたりの関係性が大きくこじれるほどの騒動に発展することもなくスムーズに進んでいくので全巻通して読後感が良かった印象がありました。