《あらすじ》
魔力溜まりの洞窟で新しく手に入れた素材で薬を調合していくツカサ。ある日薬屋に寄ると、中級クラスの毒消し薬が必要な患者が現れる。さらに患者が増えそうなので、調合の手伝いを頼まれたツカサはラクガン達と共に魔力溜まりの洞窟に置いた道具を取りに行く。途中でメル達と合流すると魔物・ポイズンスラッグと遭遇する。剣では歯が立たなかったが、ツカサの機転で退治する。その事件をきっかけにツカサは領主様から、ある依頼を受けるのだが…。カレンと中級毒消し薬の調合の仕方を教え合ったり、新たな薬の調合を行ったり、コポに振り回されたりしながら、ツカサの異世界ライフは続いていく―。
草食系美少年ツカサの異世界ライフは天然ジゴロから始まってドンドン交友の輪を広げていき、充実した環境で調合能力を発揮することでさらに異世界での知名度が上がっていっている気がする。この作品に関しては。たとえば異世界からの帰還方法を探るべき旅をするようなタイプではなく、ただただ異世界に訪れるときに授かった調合能力を駆使してスローライフを楽しむ、これに尽きますね。小さなところでは、ツカサに好意をよせている薬屋の女の子と一国のお姫様が彼をめぐって火花を散らしたり(本人は気が付いていない)、かねてより問題となっていた領主の館で病床に臥せっている患者のために治療薬の確保と原因究明に挑んだりと言った感じの内容でした。
異世界スローライフ作品として、行動範囲がまだひとつの街に収束していることで概ねキャラクターの特徴を認識するのに困らないし、常にツカサが何らかのアクションを起こしているので彼の行動を眺めていても全く退屈にならないですね。
唯一の問題点はイラストレーターのともぞさんの描くツカサのクオリティーが高すぎて、ギリギリ男キャラだと認識できるけど草食系で可愛い要素が表現されている点。この作品を読んでるとイラストレーターの凄さをあらためて認識させられますね。いやもうとにかくツカサのイラストが半端じゃなかったです、はい。