働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

のうりん 12

のうりん 12 (GA文庫)

《あらすじ》
林檎です。この巻は、今までわたしたちが色んな場所で活躍してきた記録をまとめた短編集です。でも単に再収録しただけじゃありません。ベッキー先生が作った理不尽なボードゲームに巻き込まれる『現実ゲーム』はドラマCD版から大幅に加筆修整されてるし、みんなでサッカーを頑張る『農林サッカー』もネット公開版からサッカーネタが大幅にアップデートされています。それに、アニメパッケージ特典の短編も完全収録したほか、流行の食べ物ラノベに挑戦した書き下ろし短編「農業めし」も収録しています。古いようで新しい、それが農業です。もぎたての瑞々しい短編を、どうぞ召し上がれ!

短編集だろうと本編だろうと、結婚適齢期を逃したベッキーの怨念が必ず一話は放り込まれていることには変わりはなかった。何故だろう、ベッキーのくせに農業高校を卒業した高校生たちが向かう就職先の実態に関する語りは妙に核心を突く部分が多く、そのリアリティーから引き込まれる部分もある。ついでに、男女の平均結婚年齢や子どもひとりを育てるのに必要な資金が数字付きで鬼気迫る勢いで語ってクラスの生徒をドン引きさせるところもいつものベッキー
この悪ノリの勢いと馬鹿みたいなテンションは『のうりん』だね。四天豊全メンバーからバター腱まで余すことなくキャラクターが登場していたし、短編集なだけに後々の話の整合性を無視してやりたい放題な展開がのうりんらしいといえばらしい。
唯一の懸念事項は『前巻であれだけ不穏な終わらせ方をしておいて短編集かよ!?』この一点に尽きる。