働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

りゅうおうのおしごと!3

りゅうおうのおしごと!3 (GA文庫)

《あらすじ》
「あいも師匠と一緒に『おーるらうんだー』めざしますっ!!」宿敵“両刀使い”に三度敗れた八一は、更なる進化を目指して“捌きの巨匠”に教えを乞う。一方、八一の憧れの女性・桂香は、研修会で降級の危機にあった。急激に成長するあいと、停滞する自分を比べ焦燥に駆られる桂香。「私とあいちゃんの、何が違うの?」だが、あいも自分が勝つことで大切な人を傷つけてしまうと知り、勝利することに怯え始めていた。そして、桂香の将棋人生が懸かった大事な一戦で、二人は激突する―!中飛車のように正面からまっすぐぶつかり合う人々の姿を描く関西熱血将棋ラノベ、感動の第三巻!!

三十手先の一兆分の一の勝ち筋を見極めろ!
将棋のルールと最低限の戦局の流れさえ把握することができれば、そこまで将棋に関する深い知識がなくとも“りゅうおうのおしごと”の世界のなかで繰り広げられる熱い将棋バトルを十二分に味わうことができることは間違いない! (本人体験談)

自分は金銀桂香飛車角の一通りの駒の動かしかたしか知らず、『中飛車』『振り飛車』『居飛車』などの専門用語が使われても、「中飛車って字面からして、初手で真ん中を突き進む感じに攻めていくのかな?」、この程度の知識しか備えていないです。
それでも、地の文とセリフから連想される全体像を漠然とイメージすると、細かいことはわからずとも要所である程度の解説を付け加えてくれるので、展開が進むのに置いて行かれることなくスムーズに読み進めることができました。将棋初心者でもある程度は読みやすいようにかみ砕いてストーリーが構成されているのは本当に助かります。

九頭竜八一(竜王)の内弟子・雛鶴あい(女子小学生)と姉弟子の空銀子(女子高生)をはじめとした同門・同業者たちとの将棋を抜きにした掛け合いも抜群に面白い。女子小学生の内弟子と同居生活を送っている光景が既に犯罪者予備軍としてネタにされていたら、それはもう幼なじみの空銀子の怒髪天を誘うことは間違いない。1巻に一回は最高に魔の悪そうなタイミングに八一が突入したところに、「ここに銀子がきたら100%殺されそう……」と予知がきたときが銀子登場パターン。読者の期待を裏切らない修羅場展開がいつみても滑稽すぎて笑わざるを得ないです。