働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

精霊幻想記 4.悠久の君

精霊幻想記 4.悠久の君 (HJ文庫)

《あらすじ》
両親の故郷カラスキを出立したその足で、ラティーファたちの待つ精霊の里を訪れたリオ。里の民たちから熱烈な歓待を受けた後、情報収集目的でシュトラール地方へと向かったリオは、その道中に見かけた巨大な光の柱に導かれ、奴隷にされかけていた三人の男女を助けるのだが―なんとその中の一人は、リオの前世である天川春人の初恋の少女で!?

日本から異世界に転移されるきっかけになった魔術の痕跡と巨大な光の柱が目撃されるなかで、日本への帰還の糸口に繋がる情報を手に入れた最中にやってきた綾瀬美春との再会。これまで幾度となく「天川春人と綾瀬美春がいつの日か、この広大な異世界で無事に再会をはたすときが訪れる……」そんなビッグイベントが1巻の頃から着々と進行していき、この4巻でとうとう春人と美春の掛け合いを楽しむことができて感動しました。
精霊幻想記はこれまで多くの人たちとの出会いと別れを繰り返してきて、そのたびに「ここまでリオと仲良くなってきた人たちと離れることになるのか……」という思いに駆られてきました(本気)。そのなかでもラティーファや美春といった日本から転生してきた人たちに対して、『リオ=天川春人(日本人)』の情報をどこまでその秘密を明かすことにするのか。リオの正体が日本人ということを明かすことはしても、最後のリオの正体が春人だということは明かさない。その最後の要素が繋がらないために、リオと美春の何気ないやりとりの中でにじみ出てくる春人に向けた思いに結びつかないもどかしさがあってとにかく切ない。
美春の春人に向ける想いがどんなものかも気になるし、春人から美春に向けての言葉もいつか伝わってほしい。

現在読んでいるweb小説からの書籍化作品のなかでも真っ先におすすめしたいタイトルにあがる作品ですので、興味がある人には是非読んでもらいたいです。