働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

織田信奈の野望 全国版 15

織田信奈の野望 全国版 (15) (ファンタジア文庫)

《あらすじ》
良晴が九州で奮戦する頃―迫り来る毛利軍を相手に丹波で戦っていた光秀は、母を人質に取られ、限界まで追い詰められていた。返還のための交渉の場で、彼女に出された条件は…織田家を裏切り、落ち延びる信奈を討つことだった。一方、武田軍と戦う織田家陣営にも非常事態が。松平元康の命令違反、徳川家康へと改名、そして織田家との同盟破棄。敵地深くで孤立した信奈たちは、全滅の危機に晒されていた。死地にいる二人を救うため、良晴は九州で出会った姫武将たちの力を借り、覇王・龍造寺隆信との決戦に挑む!大人気戦国ラブコメ、数々の物語が終わり、始まる15巻!

織田信奈が本来たどるべき未来を変えるために戦国時代にタイムスリップした相良良晴がこれまでに積み上げてきた戦果が実を結ぶことになるのか、それとも織田信奈と明智光秀の戦いの引き金が引かれることになるのか。そのどちらに転ぶことになるのか最後の最後までわからない緊迫した雰囲気と未来を変えることができるのかという期待感が調和して、シリーズが積み重なるにつれて乗り越えるべくして立ちはだかる山の大きさが飛躍的にデカくなってきているだけにカタルシスも比例して大きくなる。
相良良晴が戦国時代の世にもたらした“本能寺の変”にまつわる史実がふとしたきっかけで誰かの行動に影響を及ぼすのではないか、そんな不安感もあってますますこの作品が作り上げた戦国時代の結末が気になってしょうがない。

そしてこれまで、たびたび名前だけ登場していた“ガスパール”なる人物の全様とその目的がモノクロイラスト付きで登場とあって、物語もいよいよ佳境に差し掛かってきた感じ。“天岩戸開き”で文字通り全国に織田信奈と相良良晴のやりとりが知れ渡ったなかで、姫武将とのファーストコンタクトがスムーズに進んでいくあたりが新たなラブコメ展開につながったり。それがリアルに「相手を殺してでも良晴を奪う!」に直結するところが面白かったり。
イラストが極端に少ないことを除けば、文句なしに面白いラノベでした(笑)