《あらすじ》
天使の力によって自らの心を閉ざし、宇宙空間を漂う精霊、星宮六喰。救いを拒絶された五河士道は、己の葛藤を振り切り、新型“フラクシナス”と精霊たちの力を借りて再び六喰と対峙を果たす。DEMのエレン操る“ゲーティア”と、アルテミシアも介入した激戦の中、士道は六喰の心を開くことに成功する。表情豊かに懐いてくる激変した六喰に戸惑いながらも、デートし好感度を上げていく士道だが…。「むくと契る以上、おなごたちとは金輪際会わぬと誓うのじゃぞ」六喰から厳しすぎる条件を突き付けられてしまい―。重すぎる愛情と強い独占欲を秘めた精霊を説得するため、デートして、デレさせろ!?
精霊、星宮六喰のもつ天使の力が、シリーズ最大級に士道の精霊を封印するハードルを絶望的なまでに困難なものにしていて凄まじかったです。十香をはじめに多くの精霊たちを封印して経験を積み重ねてきた士道も、抗いようもない星宮六喰の力を前に後手後手にまわってしまう場面も多くありました。
これまで出会ってきた精霊たちを見ても、七罪の変身する能力や美九の歌声によって人間を操ることができる能力や、なかには十香や四糸乃のような攻撃力に特化したものなど、精霊によって多種多様な能力をもっていることがわかります。そのなかでも、今回の封印の対象になった六喰や七罪のような戦闘以外にも活用方法がある超常の力が絡んでくると、士道の精霊とのデート(封印作業)が常に予想外の展開とトラブルにあふれていて面白いです。
精霊(可愛いヒロイン)とのデートによる日常的な要素と、精霊の力がもたらす非日常が上手い具合にミックスして、15巻にも及ぶ長期シリーズ作品だけど全く飽きる様子がない
むしろ、精霊を封印していくたびに士道の日常に新たなキャラクターが加わっていくので、何をするにしてもにぎやか。日常生活での何気ない掛け合いを楽しむことに関してはキャラクターの数も個性もバリエーションが豊富でいつみても楽しい。
次回はいよいよ最凶最悪の精霊、時崎狂三が再び士道の目の前に現れるとあって新刊が待ち遠しいです。