《あらすじ》
エリュシオンでの教育は順調に進み、弟子たちは目を見張る成長を遂げていた。新たな騒乱の最中、シリウスは更なる弟子たちの成長のため、手助けを“しない”ことを決意。シリウスが傍にいない中、エミリア、リース、レウスらは己の真の実力を突きつけられる―!!そして時は流れ、充実した学園生活も残りわずか。卒業を前にした生徒には課題が出される。シリウスに課せられた卒業の試練―それは最強のマジックマスター・学校長ロードヴェルとの公開対戦であった!!「貴方との勝負…お受けしましょう。無論、本気で行かせてもらいます」異世界式育成ミッション第4幕は、『学園編』クライマックス―そして卒業へ。
『学園編』最後の試練。最強のマジックマスターとの対決!! その時、魔法は“無限"の可能性を手に入れた――。
努力次第で魔法は無限の可能性を秘めている、それを身をもって体現するシリウス VS 学園長兼最強のマジックマスターの戦いが熱くならないわけがない! これまで教え子であるエミリア、リース、レウスの窮地からギリギリの局面で駆けつけて救い出す場面や学園内で貴族との小競り合いを解決するために力をふるう場面は幾度となくあったけれど、全力で無属性魔法の粋を結集したバトルはこれがはじめて。
申し分のない相手が戦いの舞台に立ってくれたがために、文字通り跡形も残らない規模の魔法のオンパレードで、スケールのデカい魔術の応酬が楽しめてよかったです。
それもこれも、『シリウスの卒業のための試練は何にしましょうか。生半可なものじゃ試練にならないし、いい機会ですし私と戦いましょうか』こんな軽いノリで決まったんでしょうね。学園長の遊び心にあふれたこのノリのいいキャラが、目玉である二人の戦いが引き立てていて中二病が刺激されてくる。やっぱりバトルは熱くないと。
肝心かなめのシリウスと学園長の戦いの模様も、二人が繰り出してくる魔法の性質や破壊力などの肉付けもしっかりされているので、臨機応変に戦局を対処するために『考えて魔法を使った』という要素があってすごく楽しめました。
これで学園編も卒業という形で幕を閉じたわけだけど、次回はいったいどうなるのやら。新刊が楽しみです。