《あらすじ》
北部四領を帝国の圧政から解放し、民主国家“エルム共和国”の樹立を宣言した超人高校生たち。人々が新たな時代の到来に歓喜する中、帝国から休戦の申し入れが届いた。図らずも訪れた平和な時間。リルルと林檎の恋の直接対決が勃発したりしつつも、超人高校生たちは国家としての体裁を急速に整えていく。そんなエルムの大きな柱となるのが独自通貨の発行。勝人はエルクらとともに経済の安定のため、周辺国家との通商会議に臨むが―!?「ここから先は俺の流儀でやらせてもらう」地球最高の実業家がついに本気を見せる!?異世界革命物語第4弾!
作者買い満足度100%!! オーソドックスな異世界召喚を軸にした作品だけれど、キャラクターの放つ存在感と思わずゾッとするような核心をつくセリフが最高に痺れる。そして、多数派の意見に迎合することなく自分の意志でもって逆風に立ち向かう、良い意味で予想を裏切る展開が何度もあって、そこから先は作者である“海空りく”さんの作品でしか味わえないライトノベルの世界に没頭するだけでした。
異世界革命も着々と進行していき、民主国家“エルム共和国”の樹立を宣言して次に着手したのは、『エルム共和国の独自通貨の発行』と周辺国家との通商会議。超人高校生たちの最終目標である『日本への帰還』を前に、彼らが異世界を去った後の後進育成のために、あえて超人高校生たちは一切手を加えることなくことの成り行きを見守るスタンスを貫く。この手の『駆け引き』と『策謀』の土俵での戦いになると、超人高校生のひとり“勝人”が本気になれば、どれだけ厳しい局面に陥っていても起死回生の一手で状況をひっくり返してくれそう。
そんな保険を用意されているのもあって、周辺諸国との通商会議で仕掛けられた駆け引きと策謀の応酬で一進一退の戦いを楽しむことができました。通商会議の内容の肉付けもかなりガッツリしているので読みごたえもあって最高でした。