働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 1.可能性の始まり

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 1.可能性の始まり (HJ文庫)

《あらすじ》
各プレイヤーの行動や性格、プレイスタイルによって独自に能力が進化するシステム<エンブリオ>。人と間違うような、確かにその世界に息づくNPCたち<ティアン>。
そんな夢のようなシステムを備えたダイブ型VRMMOは、瞬く間に一大ムーブメントとなって世界を席巻し、数多くのユーザーがこのゲームを楽しんでいた。
大学受験を終えて東京で一人暮らしを始めた青年・椋鳥玲二もまた、受験勉強の終了を記念して、かねてより兄に誘われていたを起動する――。

リアルすぎるゲームの世界。街で出会うNPCの言動もまるで本当に意思をもって行動しているかのよう。それだけに留まらず、ゲームの世界のNPCは『一度殺されたら二度と蘇らない』仕様による縛り。それが国の重要な人物がクエストによって死亡する事態になれば……。
どこまでもリアルさを追求したゲームの世界なだけに、“プレイヤー”というある種の人類の超越者(ゲームの世界の住人にとっての)たりえるポジションが、悪意ひとつでいとも簡単に世界を窮地に陥れることができる。この二面性が秘められているだけに、“VRMMO”というジャンルの枠を超えた広がりを持っていて。主人公が強力なボスモンスターとの死闘を繰り広げる展開や『独自に能力が進化するシステム<エンブリオ>』の持つさらなるユニークな戦闘スタイルが生み出す展開とは別のベクトルで物語を楽しむ要素が増える。

“小説家になろう”からの書籍化タイトルともなると、いわゆる“異世界”を軸にしたテンプレな道を辿るのがお約束になっているため少なからず辟易としていた部分もたしかにありました(個人的な意見)。ですが、そのなかでもこの作品に関しては、ランキング1位という形でもって確固とした人気を博しただけに、その人気を裏打ちするだけの面白さがあってとても楽しめました。