《あらすじ》
草薙護堂は神殺しである。『最後の王』ラーマとの決戦を賭けて激突する魔王VS魔王。混戦の中、なんと羅濠教主とヴォバン、最古参のカンピオーネふたりがまさかの同盟!迫り来る最凶タッグに、護堂はやむなく手を組んだドニと共にこれを迎え撃つ!一方、ラーマに寄り添う黒き影にしてその実弟、ラクシュマナも顕現。魔王内戦の裏で、怪しい動きを見せ始める。さらに激戦の最中、導かれるようにしてアストラル界にたどり着いた護堂。そこで、ラーマの圧倒的な力の源『盟約の大法』を無効化するための、ある驚愕の秘策を知る。そのための鍵を握るのは、やはりあのカンピオーネで…!?地上も霊界も全てを巻き込んで加速する魔王内戦、ついに決着!!
七人のカンピオーネが東京に集結して最後の王との決戦を賭けたバトルロワイアル。この世の理から逸脱した王の器を持つ人間たちにより、各々がもつ権能による破格の規模の応酬が繰り広げられるたびに、日本全土に甚大な被害の爪痕を残している事実にはとりあえず目を伏せて、日本のカンピオーネである草薙護堂をはじめとした王たちの激しいバトルがシリーズ最高と言っても過言ではないくらい熱かったです。
20巻の大台に至るまでのシリーズが積み重ねてきた多くのエピソード。そして、草薙護堂がかつて一戦を交えてきた強者が一堂に会する舞台だけでもファンにとってはたまらないのに、これまでにない対戦カードでの王同士のバトルもあって素晴らしかったです。
20巻にあたって、七人の王が有する権能の詳細が網羅されたプロフィールが巻頭で公開されていますが、あらためて護堂のの権能のバリエーションの多さが他を置いて圧倒していることを実感しますね。護堂においては、権能の発動条件や回数の縛りが課せられている厳しいなかで、よくこれだけの強敵を前に生き残れるなと思うこともしばしば。七人の王のなかで最も若い事実や自らの権能の制御に際して成長の余念があるとはいえ、ここまで生き残れてきたのは護堂の王の資質がもたらした因果なのか不思議でしょうがない。
七人のカンピオーネによるバトルロワイアルもひとつの終着点を迎え、次回はいよいよ本当の最終決戦の幕開け。すべての王をねじ伏せて“最後の王”との決戦の舞台に上がるまでの流れも文句なしに面白かったけれど、これから先のバトルがいったいどのようなものになるのか楽しみでしょうがないです。