《あらすじ》
自身の魂を武器に戦う現代の魔術師。その学園に通う立華柴闇は、異能もロクに使えない欠陥品だった。しかし、学園最強の美少女・黒銅焔との出会いが、彼の力を開花させ―「ついてきな、キミを最強にしてやる」魔術ではなく体術を極め、実践に特化した“黒銅流”。弟子入りした柴闇は、焔と家族同然の生活を送り、劇的な進化を遂げる!「いい加減殺す気でやってくれよ」―魔術師の頂点を目指す戦いの中、生半可な覚悟で戦う敵を挑発。格上相手に下克上を続ける柴闇の姿は、周りの度肝を抜いていき!?最強の少女と成り上がる、超弩級学園バトルアクション!
第29回ファンタジア大賞銀賞受賞
夢を抱いて魔術師の学園で痛感する自分の弱さと、学園最強の美少女との出会いをきっかけに過酷な訓練の末に開花させた力でもってのし上がっていくまでのストーリーが熱い!! そして、ここまで主人公の修行パートに力を入れてバトルアクションに肉付けさせてくる作品は珍しい。バトルアクションの華ともいえる学園異能バトルよりもむしろ修行パートのほうが面白く感じたかもしれない。
主人公が修行の末に新たな力を開花させる領域に足を踏み入れるため、自らの外見が豹変するまでの地獄を味わってきたのは、学園最強の美少女の指導内容の一部始終を目にしてきたから納得。いわゆる、人外の領域に達することで、常人の魔術師を凌駕する強さを身に着けたんだろう。
けれども、個人的には『あれだけ学園の底辺をさまよっていた主人公が成長するには伸び率が高すぎないか?』 と思ったのが正直な感想。
髪の毛も真っ白にしてクラスメイトもドン引きするくらい豹変して力を手にしたのはいいけれど、これから先その力の受け皿になる対戦相手がいなくて力のふるいどころがなくなりそうな気がする。
全体を通してのイメージとしては前半の修行パートから学園異能バトルが繰り広げられる序盤が最盛期でそれ以降は失速したイメージではあったのでちょっとだけ残念でした。
もしも2巻が刊行されることになったとしても買うかどうかは五分五分といったところですね。