働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

魔弾の王と戦姫<ヴァナディース>16

魔弾の王と戦姫<ヴァナディース>16 (MF文庫J)

《あらすじ》
ルスラン王子の復活と、国王ヴィクトールの死によって不穏な空気に覆われているジスタート。王子の側近として隠然たる権力を持ち始めたヴァレンティナは自らの野望を果たすため、ついに動きだし、その大鎌をソフィーへと向けた。他方でフィグネリアの双刃がリーザを追い詰めるなど、戦姫同士の対立は決定的なものになる。混沌たる情勢の中で、ティグルは自らの立場を鮮明にし、大切なものたちを守るべく、激しい争いの渦中に身を投じる。争乱の陰では、魔物たちに代わって地上にあの女神を降臨させようとするガヌロンの姿があった…。未曾有の危機のなか、英雄となった若者を待ち受ける運命とは。大ヒットの最強美少女ファンタジー戦記の最高峰、第16弾!

戦姫同士の対立、ジスタート国内に蠢く不穏な気配。長編戦記ファンタジーのクライマックスを飾るにふさわしい展開が満載で、シリーズファンにとってはたまらない一品。ティグルに好意を寄せる女性陣の色恋方面の問題も各々でひとつの結論を導き出し、行動に示すことで目途を付けているシーンもしばしば。戦場をともにしてきた仲間に好意を寄せるだけのエピソードがあることを重々把握しているだけに、ティグルをめぐる女性たちの想いの深さがにじみ出ていて素晴らしかったです。

ティグルがこれまでに積み上げてきた戦功の数々もブリューヌ王国の全土にその名を知らしめるほどの存在になり、ブリューヌ王国の王女に王になることを望まれるほどに。敵軍がほこる歴戦の強者や魔物を退けてきた弓の技量も、臨機応変に対応できる戦局感や相手の脱帽させる弓の絶技もここにきてさらに磨き上げられて、鳥肌が立つくらい熱くなれました。

最終巻まで残すところあとわずかではあるけれど、どんな結末をもって物語を占めてくるのかが楽しみです。