働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ネクストライフ 11

ネクストライフ 11 (ヒーロー文庫)

〈あらすじ〉
ついにアウラニースと並ぶ三大魔王の一角・大魔王アシュタロスが復活する。魔王の復活が活発化していたのは、ターリアント大陸ばかりではなかった。アシュタロスはその圧倒的な力で大陸の諸勢力を壊滅させ、新たな帝国を築き「暗黒時代」を再現しようとしていた。一方ファーミア大陸では、鬼と人とが共存するラーカ国に、魔王ヴァプラが降り立つ。鬼達に求められ、近隣の国に起きている不可解な状況を調べるうち、別の魔王にたどり着くのだが…。助かる道を求めて旅立ったラーカ国王は、流れ着いた先でマリウス達と出会う。暴虐な魔王達を止めることはできるのだろうか―。

大魔王アウラニースとの決戦もマリウスの勝利で幕を閉じ、気がつけば仲間に加わりまだ見ぬ魔王の討伐に挑むメンバーに。大魔王アウラニースを筆頭に配下の魔王クラスであるソフィアとアイリスの間に存在する絶対的な戦闘能力の差。ドラ〇ンボールなノリの急展開で強力な仲間が増えることで、大魔王を相手にフランクに言葉を交わす光景が周囲の常識的な感覚をもった仲間たちのリアクションを引き出しているところも面白い。ありていに言えば異世界召喚チートファンタジーに括ることができそうだけれど、ここまでシリーズ作品として続いてくると物語が独特の方向に流れていってひとあじ違った趣があって良い。
アウラニースを含め苦戦を強いられることがないほどに高い戦闘能力をもつマリウスが繰り広げるバトルが、いつもサラッと敵を倒して物足りないと思う人もいるかもしれない。しかし、バトルシーンを魔法の規模や視覚的情報を練りこんだ内容よりも流動的に戦局が移り変わる様子を丁寧に描写して、かつ二の手三の手まで策を張り巡らせた読み応えのバトルがタイプな自分には、『ネクストライフ』くらいの短いバトルでも違和感なく楽しめます。

ヒーロー文庫がほこる長期シリーズ作品のなかでもおすすめの異世界ファンタジー作品なので、是非読んでみてください。