働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!!2

美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!!2 (角川スニーカー文庫)

《あらすじ》
遂に傑作ラブコメを完成させた天花だが、顔が赤い&妙な質問ばかりで様子がおかしい。一方、新作執筆中のひよこは「何かが足りない気がする」とスランプに戻ってしまう。悩める清純の元には、眼鏡でえっちな有名作家(パンツはいてない)や超売れっ子絵師(優しい×可愛い×〆切守る=天使)が現れて、リアルの方がいつのまにかラブコメ状態に!?

3巻の発売があとがきの段階でほぼ確定されている、今もっとも勢いのあるライトノベル業界×ラブコメ作品。1巻の頃から、ライトノベル業界で日々起こっているであろう(一般人にとっては想像の域を出ない)闇にバッサリ切りこんで、登場人物を介してクリエイターを精神的に病むまで追い込むストレスフルな展開が読み手に衝撃を与えたけれど、まさか再びそれをやられることになるとは夢にも思わなかった。
ライトノベルを愛好すればするほど指数関数的に胃への負担が増すことになる(体験談)。クリエイターの叫びと怨念が込められていて、現実に同じ悩みに晒されている人が実在していそうな内容なだけに、余計にリアリティがあって胃に負担がかかる。

それだけのストレスフルな展開が満載の地雷原が物語に組み込まれていながら、一歩でも外に出た先はアニメ化作品を抱える美少女ライトノベル作家との嫉妬するくらいに愛らしいラブコメを謳歌していて、感情の振れ幅の大きさに困惑するばかり。
全体の比率で言えば、編集者として鉄の職業倫理を掲げるの1級フラグ建築士鈍感系ラブコメ主人公が、業界で活躍する若手美少女クリエイターたちとガンガン突っ込みどころ満載の掛け合いを見せてくれるので、楽しめる割合のほうが圧倒的に多い。なので、これからこの作品を読む人は安心してストレスフル鬱展開に巻き込まれればいいと思います。

かなりストイックにライトノベル作家としての生き方を志すキャラクターや出版業界の実情に深く切り込んでいく割には、作家としての技術的な問題や売り上げ不振よりも、クリエイター個人が恋愛脳に侵され過ぎることで未成熟な精神面で仕事が覚束なくなって、主人公に恋するクリエイター同士の修羅場がきっかけで破滅に直進しそう。
既にそんな雰囲気もあるし、何よりも複数のヒロインが編集者の主人公を介して繋がる流れが生まれ始めてる。天花ちゃんに関しては序盤から一部ポンコツ化してあたふたしているし、次回あたりは天花ちゃんを再起不能に陥らせて、2巻で出番の少なかった分を巻き返す感じで特大のラブコメを演じてほしいものです(願望)