働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

精霊幻想記 10.輪廻の勿忘草

精霊幻想記 10.輪廻の勿忘草 (HJ文庫)

《あらすじ》
―そして、二人の関係は。遂に公の場で、前世由来のアマカワ姓を名乗ると決めたリオ。その姓に沙月やリーゼロッテが強く反応を示す中、美春は幼馴染である天川春人がリオの前世であることも理解した上で、自分の気持ちは変わらないと訴える。それに対してリオは、自分と天川春人を同一視するべきではないと美春を諭すが―「美春は騙されている。なんとか、なんとかしないと…」第三者による介入で、話は更に複雑化していき…!?WEB版とは異なる展開から目が離せない“夜会編”、最高潮へ!

幾度となく幼馴染みの美春にリオの正体を告げる展開を待ち望んできたので非常に胸がすく思い。
リオの語る『リオと前世の天川春人を同一視するべきではない』なんて知ったこっちゃないです。幼馴染みの美春が望んだ関係性を築くことができたのだからオールオッケー。
もっともその過程で、美春に妄執する日本の某勇者の介入でリオの周囲の人間関係にも複雑化していき、某勇者(笑)とリオと美春の三角関係がもたらした大騒動には肝を冷やしました。

これまで多くの異世界召喚作品でも『異世界と現代日本とのギャップ』が原因で、異世界にきてから人格が豹変して暴走したり自らに宿った力を過信して本性が明らかになったりする展開が描かれてきましたが、端的にまとめるとそれに分類されるものでした。
もともとが日本の平和な治安で過ごしてきて戦う力も武器も持たない一介の高校生が、異世界に召喚されて宿った勇者の力を誤った使いかたをしたらどうなるのか……。今回は某勇者(笑)さんが一方的にリオに嫉妬し、歪んだ感情を美春にぶつけ、リオと美春の強固な関係を見せつけられ後に引けなくなったときにくだした決断とそれに真正面から対立するリオの戦いは、勇者という肩書が霞んで勧善懲悪のような物語に見えてきました。

今回の一連の騒動でリオと美春の関係が一歩前進したことが、今後の展開をどう左右するのか。新刊がとても楽しみです。
ついてに作品に対する要望として、人物紹介欄も各国の勇者と王侯貴族の新キャラクターの登場でだいぶ複雑化してきているので、そろそろ更新してもらえると読者としてとても助かります。


精霊幻想記 10.輪廻の勿忘草 (HJ文庫)

精霊幻想記 10.輪廻の勿忘草 (HJ文庫)

精霊幻想記 1.偽りの王国 (HJ文庫)

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