働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する(8)

宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する(8) (モンスター文庫)

《あらすじ》
「どうしてあんなところにトレビュシェットがあるんだよ!?」突如放たれた、隣国バルベールからの攻撃。
カズラも駐留する砦内は、一瞬のうちに大パニックとなった。圧倒的な性能を誇る敵の攻城兵器。
絶体絶命の中、ジルコニアは「覚悟を決めなさい」と兵に発破をかけ、敵を迎え撃つ覚悟を決めるのだが――。
小説家になろう」発、シリーズ累計30万部突破の大人気作品、待望の第八弾。

平穏なひと時から一変。休戦協定が破られ、戦争の火ぶたが切られる。本格的な戦争に突入するにあたって、バレッタがひそかに開発していた戦争兵器の数々が実践に導入される準備も着々と進められてますます盛り上がりを見せる展開でした。それに伴い、一良に黙ってグリセア村で兵器の開発を進めていた事実が打ち明け、胸のつっかえもとれる光景も描かれてました。

しかし、改めてこの作品を振り返ってみると、当初は宝くじで持て余した40億を元手にグリセア村で平々凡々に暮らしつつ文明レベルを格段に進歩させていたはずなのに、気がついたら戦争をどうにかするために奔走する立場になってるんですよね。スローライフはいったいどこへ……

グリセア村でチラッと登場した謎の人物のことや主人公の父親の意味深な発言もいまだに明らかになっていないけれど、いつ頃伏線回収してくれるのやら。さらには、今回登場したバルベールの攻城兵器を開発した幼女も何やら秘密がありそうな演出でしたし。
強いて言えば、こういった後々の展開に関連しそうな出来事は上手く物語の流れに組み込んで印象付けるために、もう少し演出を強くしてほしかったですね。作中にポンと出されても、書籍だけを追っている身としては記憶にとどめておけるかが懸念材料です。
さらに欲を言えば、物語が地続きになっていると物語が現在どの段階にいるのかがつかみずらいので、冒頭の部分は多少は説明っぽくなっても直前までの流れを組み込んでほしかったです。

これらを除けば、ジルコニアさんが嫌いで異臭を放つ虫を大量に送り付けてスメルハラスメントと化してたり、バレッタとリーゼの恋路が荒れそうな雰囲気になってきてたり、シリーズを積み重ねるなかで育まれたキャラクターの個性が活かされていて楽しかったです。
まあこんな状況だし、今すぐリーゼとバレッタが一良との関係性を進展させるとは思えないけど、戦争に目途がついた暁にはまた和気藹々とした光景を見せてもらいたいです。



宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する(8) (モンスター文庫)

宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する(8) (モンスター文庫)