働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

妹さえいればいい。 10

妹さえいればいい。 10 (10) (ガガガ文庫)

《あらすじ》
ついに千尋の抱えていた大きな秘密が、伊月たちの知るところとなってしまった。千尋から事情を聞かされ、表向きはそれを喜んで受け容れた伊月は、これまでどおり那由多とイチャイチャしたり、千尋を可愛がったりして、妹がいる生活を満喫する。『妹すべ』のアニメも好評を博し、招待された台湾のイベントでちやほやされるなど、売れっ子作家としても満たされた日々を送る伊月だったが…?一方、重荷から解放された千尋にも、新たな物語が始まろうとしていた―。大人気青春ラブコメ群像劇、運命の第10弾登場!!

千尋の抱えていた秘密が明らかに!! よりも、伊月の父と千尋の母のなれそめのほうが衝撃の事実。
エリートサラリーマンがキャバクラにハマり、ストレスのはけ口で酒をあおったら路上でダウン。それを介抱したのが今の妻。凄い運命的な出会いにも見えるけれど、伊月の小説を酷評していた厳格な父親像がまさかキャバクラにはまっていた前科があったなんて衝撃です。全くとんだクソ野郎です。

さて、生粋の妹キ〇ガイで伊月の著作を読んだ父親から「おぞましい小説」と称された彼ですが、リアルの妹が目の前に表れたことがきっかけでこれまでの執筆への熱が冷めて仕事に影響が起きないか心配です。リアルに妹がいないこそ可能だった妄想が、現実に妹が存在することで不可能になる。要するに「妹がいないからこそ、妹を楽しめる」ということですかね。高嶺の花も手に届く距離にあったらただの花です。

伊月の日常と並行して、新人賞作家の刊行作品の売れ行きと現在の活躍状況、京の出版社へ内定とその後、出版不況とラノベ原作アニメに対しての言及その他諸々。各キャラクターたちもそれぞれの時間を過ごしていて今後の行く末が楽しみになってくる展開でした。
京の就職先の出版社でどんな風にラノベ作家を引っ張っていき作品を作り上げるのか活躍が楽しみです。