《あらすじ》
竜歴900年。村では、精霊魔法の発展による弊害として精霊の暴走による事件―精霊災害が頻発していた。その対策として、“私”は、免許制度や対精霊魔法の研究を進めることに。ある日、ヒイロ村は死骸を操る黒い影―屍鬼の襲撃を受ける。その犠牲として残された赤子を拾った事で、“私”は―「クリュセがハイハイしたわよ!」「おつかれさま、おとうさん」ニーナと初めての子育てに挑戦することになり!?魔法の時代が終わる時、幸福な最果ての村に、災いを報せる鐘が鳴り響く。これは、すべての“始まり”を創った竜の魔法使いと、その家族の物語。
年月が経つにつれ定命の種族が追い朽ち果てていき、ニーナたちのような長命種は生き永らえ、ヒイロ村は時と共に繁栄していく。
生命の一生と歴史を堅実に描いている作品ですが、多種族が共存するヒイロ村ならではの弊害や遠方からの来訪者の目線から見たヒイロ村の特色などが浮き彫りになり、第三者の固定概念にはまらない言及に改めて気が付かされました。これまで、魔法に関連した多くのテクノロジーを生み出しヒイロ村の発展に貢献してきた竜の魔法使いですが、たしかに、たったひとつだけ作っていないものがありましたね。
シンプルに学校の生徒のあの男の子と女の子が仲睦まじくなってきてる! でも人間は短命だし相手は種族が違うしどんな恋愛観で関係が進展していくんだろう?
といった、その場その場でのキャラクターたちの感情の起伏と展開を味わうだけでなく、竜暦900年が積み重ねてきた歴史を通して眼前の展開を楽しめる深みがあって良いです。
自分の感覚が上手く表現できるか自信がないですけど要約すると、最近巷でよく耳にする『エモい』というやつです。たぶん……
ちなみに自分の一番好きなキャラクターはニーナさんです。可能ならツイッターアイコンにしたいので最近公式画像がないか探しましたが存在しなくて消沈しました。

- 作者: 石之宮カント,ファルまろ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/09/20
- メディア: 文庫
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