《あらすじ》
シャルル=アルボー率いるベルトラム王国騎士団からの追っ手がかかるクリスティーナ王女一行を、ロダニアまで護衛することになったリオ。一騎当千の力を持つサラたちの協力もあり、一行は順調に追跡者たちから距離を稼いでいく。そんな中、クリスティーナは過去の自分を振り返りながら、正体を隠すリオに対して煮ることも出来ず、密かに胸を痛めていた。一方、リオたちをシャルルとは別経由で追うレイスは手駒を動かしながら、確実に包囲網を敷くべく謀略を巡らせていく―。
幼少期のリオとベルトラム王国第一王女・クリスティーナ、第二王女・フローラが出会うきっかけとなった騒動が、一騎当千の力を持つリオとの関係性を大きく揺さぶる事態に発展することになろうとは……。1巻での出来事がつい最近のように思えるくらいに各キャラクターたちとのエピソードが濃密な物語なので、過去の出来事として作中で語られていてもすぐさま記憶が呼び起こされました。個人的に思い入れの深い作品ということもあるけれど、素晴らしい作品はとても記憶に残りやすいんですよね。
さて、徐々に大所帯と化しているリオたち一行ですけれど、ハルトの正体がリオであり幼少期をスラム街で暮らしていた頃の一連の出来事を認識の有無もキャラクターごとに細分化され始めてきましたね。クリスティーナは薄々感づいているけれど罪悪感からあえて追求しないスタンスを貫いている様子でした。この辺の禍根も、今後の物語でどう変わっていくのか非常に楽しみで気になってきます。
美少女ヒロインの幸福追求権の思想は自由なので、円満解決に向かう展開が希望です。