働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

バーチャル人狼ゲーム 今夜僕は君を吊る

バーチャル人狼ゲーム 今夜僕は君を吊る (電撃文庫)

《あらすじ》
学園祭の出し物としてバーチャル空間での演劇を行うことになった高坂直登と二年四組の生徒達。ところが仮想空間へログインした彼らを待ち受けていたのは、自分達を襲う獰猛な狼からの逃亡という不可解な演目の強要。さらにルールを無視した生徒の現実世界での死だった!この演目が「人狼ゲーム」をモチーフにしているといち早く見抜いた高坂。しかしそれは、クラスメイトを疑い、吊るし上げるという最悪の展開を示唆するものであり…。そんな中、自ら狼役であることを名乗る出す生徒が現れ!?虚構と現実の世界で繰り広げられる死と隣り合わせの人狼ゲーム。極限の騙し合いが、クラスメイトの本性を暴き出す!

クラスメイトたちが仮想世界に囚われて行われるバーチャル人狼ゲーム。処刑台に送られてつるし上げられるターンと毎晩人狼がプレイヤーたちを狩るフェーズに絶望の連鎖が続く光景に鳥肌が立ちます。世間では有名なこのゲームに関しても作中では既存のゲームとして登場しますが、人間が命がけで生にしがみつく感情と思惑が交錯することで、定石が通じない複雑怪奇な新たなゲーム性に発展していてすさまじかったです。クライマックスに突入しても霊媒師と同じ役割にあたる墓地(正規の手順で脱落したプレイヤーの役職がわかる)に送られたクラスメイト以外で唯一わかるのは、主人公が村人にあたることだけでした。真占い師COが2名登場したところから既に混沌と化してました。
スクールカーストや交際関係にある男女が殺し合いに巻き込まれて発狂したりなんだで久々に刺激的な土橋作品を読めて大満足です。もっとも、こんなゲームに巻き込まれたくないですね。
ややこしいハンドルネームなのでプレイヤーを混乱させてしまいそうですし……