働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

膝の上のJC作詞家 初心者作曲家の同棲業務日誌

膝の上のJC作詞家 初心者作曲家の同棲業務日誌【電子特典付き】 (MF文庫J)

《あらすじ》
バンド仲間から見放され、バイトと住処を失い、行くあてもなく空腹で彷徨っていた春臣。途方に暮れつつ駅前でギターを爪弾いていたところへ、13歳の少女・小姫が通りかかる。「その曲の歌詞、小姫が書きます!小姫は作詞家なので」ワケもわからずそのまま小姫に拾われた春臣は、音楽クリエイター専門の学生寮『ミュージ館』で小姫と同棲生活を送りながら作曲することに!?学生ながら大人気サウンドクリエイターの花奏、未来の歌姫・沙絢、メタル好きの寂しがり屋・ダリア―そして作詞家として活躍していた女子中学生・小姫。個性豊かな少女達に愛犬扱いされながら、彼女達とのキャッチーな日々が今“再生”される。

天才作詞家としてその名を轟かしているJCに衣食住を提供され、バイトを首になり家賃を支払えずに追い出されて空腹で野垂れ死にしそうなところを拾われ「作曲だけをしていればいいんです!!」と命令されている絵面は世間一般でいう『ロリのヒモ』にしか見えませんでした。
ライフラインを全て掌握されているわけですから、JCに首輪と鎖でつながれであだ名が『ポチ』で同部屋で生活することを「ぎょーむめいれいです!!」されれば従わざるをえないですし、日常シーンのほとんどは犯罪の匂いが始終漂っている甘ったるい内容でしたね。無垢なJCの何気ない行動の一端が思春期の主人公の理性に揺さぶりをかけていて愉快でした。

バンドメンバーから追放され、小姫に作曲家としての才能を買われ創作活動に励む主人公。作曲に必要とされる機材やソフトは門外漢のため、ミュージ館に住む音楽クリエイターたちの教育・指導のもと一から学び始めるところから物語が動き始めるので、専門的な知識も概要をコンパクトにわかりやすく表現されていて初心者でもとても読みやすかったです。音楽的な要素を深く掘り下げていきガッツリ描写してこの作品の音楽という個性を強く主張するか、比較的浅い描写にとどめたほうが良いかは好みにもよると思いますが、ちんぷんかんぷんな専門的知識をガツガツ詰め込まれると流し読みになりそうなので、自分としては今回書かれているくらいのさじ加減が程よく楽しめてちょうど良かったです。

イラストレーターの 桜木 蓮さんは『家に帰るとカノジョが必ずナニかしています』『ホテル ギガントキャッスルへようこそ』やVtuberのイラストも手掛けていている方だと認識していますが、キャラクターの容姿や色遣いも特徴的で記憶に残りますね。素晴らしいイラストでした。

作曲家としての才能を開花させてからの主人公の今後の活動も是非見てみたいので、機会があれば続巻も読みたいです。