働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

勇者の君ともう一度ここから。

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《あらすじ》
かつて、命と引き換えに世界を救った勇者・セラフィルナ。
一方、勇者である彼女の仲間であった隻腕の青年ジャンは片田舎で後悔の日々を過ごしていた。
剣神と呼ばれながら、彼は逃げ出したのだ。
そんなジャンの下へ現れた王都からの使者が告げる。「勇者は生きている。彼女を救いたければ私たちと共に来てほしい」
一縷の希望を胸に、ジャンは再び立ち上がる。これは救われなかった少女と、諦めかけた青年が幸せをつかむまでの物語。
勇者の君ともう一度ここから。今、最高の感動ファンタジーが幕を開ける!!

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自らの命を賭して世界を救った勇者・セラフィルナはその代償に呪いを受け、やがて人類を滅ぼす存在へと変貌する。
かつての仲間であった剣神・ジャンが再会を果たし、人類のために勇者として戦ったセラフィルナともう一度共に歩みだすファンタジー作品でした。

勇者としての使命を全うするためにごく普通の少女としての幸せからかけ離れた戦いの世界に身を投じてきたセラフィルナが、やっと平穏な日常を送れるのかと思いきや、身に宿した呪いの影響で生命の危機に瀕している状況。また、呪いの外部への影響力を考慮した地下庭園での幽閉生活に同調するように、勇者の存在が人類へ牙を向くことを危惧した勢力から害意を向けられたりと、セラフィルナ境遇が悲劇的過ぎて読み手の感情が揺さぶられる展開がありました。
そんなセラフィルナに淡い恋心を抱き、かつての自らの行動を悔いたジャンが今度こそはセラフィルナとの幸せをつかみ取るために奮起し、文字通り命がけで勇者に並び立つために行動を起こし、愛を告げるシーンが感動的で素晴らしかったです。
勇者であるセラフィルナのかつての仲間であったジャンであれば、勇者の隣に並び立つことがいかに危険な修羅の道であることか百も承知のはずであるにもかかわらず、プロポーズの言葉も投げかけ心の底から愛していている女の子のために見せる男気に心が震えました。

セラフィルナとジャンが結婚式をあげひとつの運命を切り開いていきましたが、彼らはさらなる修羅の道を突き進むことになります。この先に待ち受けるものとは……。新刊が楽しみです。