働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ワールドエンドの探索指南3

ワールドエンドの探索指南3 (電撃文庫)

《あらすじ》
地図と周囲の風景が違う?探索を続け町を進行するタイキとヤヒロは、世界への違和感を強くしながらも、高層ビルの立ち並ぶ繁華街へとたどり着く。無数の落書きに迎えられ、どうやらここは2つの勢力が縄張り争いをする、戦場の真っただ中のようだ。“天文館”と“果樹園”という二つの部隊は戦闘を繰り広げ、究極の“秘宝”を探し求めているらしい。そんな中で、双方に和解を呼びかける勢力、“灯台”に所属する陽羽里クイナと出会う。目指す“ミハシラ”へは繁華街を通過しなければならず、タイキは両陣営とクイナを前に選択を迫られ―。

dengekibunko.jp

欠落している記憶と世界に隠された真相を探るベル旅をするタイキとヤヒロ。退廃的な世界のなかで生き流れえている人類が限られたインフラ設備のなかで少しでも生き残ろうとする行動心理が丁寧に描かれていて、独創的な世界観が魅力的な作品です。
二人の旅路で二つの勢力が縄張り争いをする戦場に出くわしてしまい足止めをくらう状況。二つの勢力の仲介役を買って出たタイキの呼びかけにより膠着状態だった戦争に希望の光を見出す物語が大まかなシリーズ第3弾の内容でした。
これまでは『ミサキ』と呼ばれる怪物たちが主だった相手でしたが、今回ばかりは状況が異なり自分たちと同じ人間が敵として目の前に立ちはだかることに。
明確に敵対行動を示してくるミサキとは異なり、意思疎通を取ることができ和解も可能な人類が相手となると攻撃的な行動が和解の道を途絶えさせかねない状況なので、仲裁役となったタイキたちの奮闘が今までにない緊張感のある展開の連続でした。

さて、今回の“天文館”と“果樹園”という二つの勢力の縄張り争いの裏で、また一歩タイキとヤヒロは新たなステージへと踏み込むこととなり彼らの探索も前進することとなりました。この作品自体を長期的な目で見ても、純粋にどのような結末をたどっていくのかが気になる作品でもあるので、新刊の発売が待ち遠しいです。

興味のある人は是非読んでみてください。