働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

お隣さんと始める節約生活。 2 電気代のために一緒の部屋で過ごしませんか?

お隣さんと始める節約生活。 2 電気代のために一緒の部屋で過ごしませんか? (富士見ファンタジア文庫)

《あらすじ》
「もっと山野さんと、学校でも過ごす時間がほしい」二学期。ますます強くなる気持ちを胸に、俺は彼女が所属する生徒会選挙へ立候補した。山野さんも誘ってくれたしな。一緒に選挙演説の原稿を準備しながらも、新しく山野さんのベランダで家庭菜園を始めたり、彼女と屋内プールに行ったり、これまで通り山野さんと仲良く過ごしていた。けれど、どれだけ時間を過ごそうとも、変わらない俺たちの関係。ずっとこのままで、本当に良いのだろうか。嫌だ。何か、変えなければ。だから俺は、生徒会に入れたら―山野さんに告白する。

電気代節約のために始まった山野さんとの共同生活。はじめのうちは光熱費を削るニュアンスが強かったけれど、気が付けば二人の距離はドンドンと縮まっていき、仲良く過ごすための建て前になってる。
節約のための方法が完全に出尽くしたことでこれ以上二人の共同生活の方針を変える要素がないから、『高校生男女のイチャラブ共同生活』となったわけです。
お互いに好意を抱いていることをハッキリと告げていないおかげで、家の中で常に恋の戦略的な駆け引きが繰り広げられている状況。二人の事情を知っている人間からしてみれば、このシチュエーションで好意を持たないわけがないとしか思えないはずだけど、お互いに『もし自分の勘違いだったらこの関係が終わってしまう』的な可能性があるためになかなか踏み出せない。
そんな二人の告白するくらい大好きだけど前に進めないもどかしさ、何気ない言葉のやり取りのなかに相手がどんな反応をするかうかがうしぐさがとてもハートフルなラブコメ作品です。

共同生活を続けていけばおのずと様々なトラブルに出くわすことがあると思います。
生徒会に所属していて清楚な見た目に反してムッツリスケベと不名誉なレッテルを貼られてしまう山野さんですが、何かと共同生活のなかでも間宮君の知らないところでやらかしているみたいです。
詳細については割愛しますが、ちょいちょいエッチなイベントを起こす山野さん VS 鋼の精神とヘタレの精神で何もしない間宮君の構図が二人の関係をややこしくしているように思います。
それでも、高校生男女が偶然部屋が隣同士になったことがきっかけで始まった青春が甘酸っぱくもあり、いつ終わるとも知れない二人の関係の行き着く先が気になる作品でした。
なにせ、経済力のない高校生の生活なんて衣食を提供している家族の差配ひとつで変わるなかで成立しているシチュエーションなわけですから。
2巻のラストでは山野さんと間宮君の生活も新たな展開を迎えることになったので、今後の二人の関係がどうなるのか。新刊が楽しみです。