働きたくない村人のラノベ日記

ブログ開設2014年5月30日

君はヒト、僕は死者。世界はときどきひっくり返る

君はヒト、僕は死者。世界はときどきひっくり返る (ガガガ文庫)

《あらすじ》
天空に浮かぶ「世界時計」を境に分かたれた「天獄」と「地国」。地国で暮らす死者の僕はある日、常夜の空から降ってくる彼女を見つけた。
一目見た瞬間から僕はもう、恋に落ちていた。
彼女の名前はファイ。僕の名前はデッド。
彼女はヒトで、僕は死者。だからこの恋は、きっと実らない。
それでも夜空は今日も明るい。
二つの世界の引力バランスがひっくり返る「天地返り」の日まで、僕は地国のゾンビから彼女を守り、そしてきちんと「さよなら」を告げる。
これはやがて世界をゆるがすことになる、相容れない僕たちの物語だ。
第14回小学館ライトノベル大賞・ガガガ賞受賞作!!

天獄から降ってきた少女と地国で暮らす少年。
死者はヒトを前にして襲わずにはいられない。ヒトにとってゾンビは忌避すべき存在。
決して交わることのないヒトと死者が『天地返り』をきっかけに出会い、ヒトを前にして言葉を交わせる死者であるデッドとヒトであるファイが共に過ごすうちに打ち解け合い、惹かれあっていく物語がとても心温まる内容で感動的でした。

地国の世界の住人は無意識であってもヒトの放つ臭いに寄せられ、ファイは生きるために逃げ続ける日々を送らざるをえない状況。しかし、ヒトの体では疲れもするし睡眠や食事も必要とするなかで、ゾンビの集団は歩く速さは遅くともいつまでも追いかけてくる。そこに死者であるデッドが手を差し伸べることで始めて、ファイにとって死者を死者としか認識していなかった価値観を改め、デッドとして向き合う瞬間にはまさに歴史が変わった瞬間だったように思えました。デッドがファイに必死に語りかけていたことが届いたことに対する安堵感もあるけれど、あの世界観で死者とヒトが分かり合える始めての瞬間でもあったのでホッとしました。

それからはお互いの存在や天獄と地国に関する話題、徐々に惹かれあっていき、やがて訪れる『天地返り』に向けた準備と両想いの二人の身の振り方について……。
全体を俯瞰してみれば王道のボーイミーツガール作品だと思いましたけれど、やはり作品の独特の世界観や二人の特殊な環境が味わい深い恋模様を演出していて、とても感動的な内容でした。
まだまだ作中で気になる部分もあるので、機会があれば2巻も是非とも読んでみたいです。
気になった方は是非読んでみてください。

まるで人だな、ルーシー (角川スニーカー文庫)

まるで人だな、ルーシー (角川スニーカー文庫)

  • 作者:零真似
  • 発売日: 2017/02/01
  • メディア: 文庫