働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

剣帝学院の魔眼賢者

剣帝学院の魔眼賢者 【電子特典付き】 (講談社ラノベ文庫)

《あらすじ》
「ラグ・ログライン―私は君を新たな“賢者”と認めよう」憧れていた師匠である、魔術師リンネにそう告げられた少年ラグ。けれど、それは彼女との別れを意味する。千年後の世界を救うため―そして大切な師匠の願いを叶えるため、ラグは未来に送られた。しかし、千年後の世界で目覚めた彼が目にしたものは、朽ちた街と師匠リンネの杖だけ。出会った剣士の少女クラウによれば、もはやこの時代に魔術が使える人間は残っていないらしい。魔術を剣技と、師匠の杖を“聖霊剣”と勘違いされたラグは、クラウと一緒にハイネル剣帝学院に入学することになる。だが、そこで彼の前に現れたのは、千年前に別れたはずの師匠リンネと同じ顔をした少女で…!?最後の賢者の無双ファンタジー!

千年後の世界を救うために未来へ送られた主人公のラグの前にあったのは魔神のいない世界。ラグの送られた時代で魔術を扱える人間はおらず、代わりに千年前には無かった“聖霊剣”と呼ばれるものが存在する。
未来へ送られるまでの間の空白の千年の間にいったい何があったのか。そして、かつて世界を滅ぼすと危惧されていた魔神の存在はどこへと消えたのか。
謎を解き明かすために、“聖霊剣”を扱うものたちが入学する剣帝学院へと潜入し世界の核心へと近づく学院ファンタジー作品でした。

どこか王道な学院ファンタジーの雰囲気を感じさせる舞台設定に、主人公が千年前の世界から引き継いできた“魔術”の力が“最後の賢者”としての実力を学院内で存分に見せつけて無双展開が痛快です。
それでいて、新入生ながら早くも頭角をあらわし圧倒的な実力を示したこともありクラウの師匠としての立場にも箔が付いて、千年前は弟子だった主人公が現代では師匠として弟子を育てている姿に時代の変化を感じさせられます。
ちなみに、弟子の活躍と成長していく姿もクラウの過去と彼女の持つ“聖霊剣”にまつわるエピソードとともに深く掘り下げられていて、主人公の無双展開に引けを取らないくらいに印象に残るドラマがあって読みごたえがありました。
師匠と同じ顔をしてリンネと名乗る少女の秘密と共に今後の展開が気になる学院ファンタジー作品です。

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