《あらすじ》
「人類最高の宝飾師“宝玉”の師と言っていいのかな?」辺境都市の廃教会に二年ぶりに帰ってきた、特階位冒険者レベッカ。『育成者』ハルとの再会の場面に現れたのは、今は亡き姉弟子の孫・タバサだった。自分の行く末に悩む彼女を廃教会に招待したハル。抜群の指導力で彼女の秘められた才能を発見しながらも、優しく道を指し示していく。本当の妹が出来たようなレベッカも彼女に接することで自分の目標を再確認し、自らの力に磨きをかけていく。だが、その裏ではタバサたちとハルを狙った大いなる陰謀が渦巻いており!?『育成者』伝説は、新たなる弟子候補を巻き込んで次なるステージへ!
七野りくさんの作品は『公女殿下』シリーズから読んでいますけれど、主人公であるハルの周囲のキャラクターたちから寄せられる絶大な信頼感とそれを担保するようなハルの圧倒的なスペック、加えて女の子たちからの糖度満点の好意がキャラクターたちの掛け合いを楽しませてくれるのが特徴ですね。
1巻では悩める女の子だったレベッカもハルの育成を受けたことで冒険者としてのひとつの到達点でもある特階位にまで上り詰め、冒険者として忙しい日々を送っているなかで何が何でもハルのもとに戻りたい甘えたい甘やかされたい!!
そんな抑えきれないあふれ出る感情が物語中の至る所で現れていて、『可愛い女の子を愛でて楽しむ』部分に関しては文句なしに最高の作品でした。
シリーズ2巻ではハルを中心とした世界を取り巻く陰謀がさらに深く掘り下げられることとなり、正体不明の敵性勢力が明確に見え始めてきた感じでした。世界を相手に壮大なスケールで戦うための助走の第1歩。ハルが育成した弟子たちも成長して各々が世界に名を轟かせるほどの活躍を見せるなか、これから先立ちはだかってくる強敵を目の前にどんな戦いを見せてくれるのか。物語の展開が気になるファンタジー作品です。