働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

物理的に孤立している俺の高校生活 (9)

物理的に孤立している俺の高校生活 (9) (ガガガ文庫)

《あらすじ》
愛河に告白して振られてしまった業平。その理由は、高鷲が意図せずココロオープンで業平に見せた“好き”が影響していた。やり場のない感情を抱えたまま人研で顔を合わせるのも気まずくなってしまう二人。一方、高鷲は自分が原因になったとはつゆ知らず、三人の中に微妙な距離が生まれてしまう。しかし、愛河への気持ちを諦めきれない業平は再始動を決意!その一方で、業平と高鷲が両想いと思い込む愛河は、高鷲を呼び出す…。すれ違ってしまう3人が見つける本当の気持ちとは!?残念系能力者達の青春ラブコメ、完結!!

“ドレイン”の異能で近づく人間から体力を奪うせいでクラスでも物理的に孤立していたボッチの主人公がここまでの成長を遂げるなんて感無量です!!
愛河に告白してフラれ、高鷲が意図せずに発動させた“ココロオープン”に表示された『好き』の二文字。仲良く過ごしてきた三人の関係に亀裂を生じさせるこの難題を前にどんな決着をつけてくれるのかハラハラドキドキの展開でしたけれど、最後はみんな笑顔になって楽しそうな日常を送っているみたいなので満足です。
たとえ、腐れ縁で『わたしが最初に好きだったのに』な不憫ヒロインのエリアスが誕生することになったとしても、一番に本音で語り合えて容赦のない毒舌をぶつけてくるえんじゅが身を引く決断をしたとしても、業平が送ってきた人生のなかで自然に芽生えた恋愛感情で本気の告白をした相手と結ばれて幸せな未来を築けるのなら良し。
欲を言えば、業平の告白が成就するまでのすったもんだにリソースが割かれていたおかげで、めでたく結ばれた二人の恋愛模様が描かれているシーンが少なかったことが残念でした。
それでも、1巻の頃から好きだったシリーズが無事に完結を迎えることができて本当に良かったです。
ガガガ文庫から刊行されている異能力バトルもの『不戦無敵の影殺師』の完結後に、異能力学園ラブコメのこの作品が刊行されていたと記憶しています。
異能力と言えば火や水を出したり、触れずに遠くのものを動かしたりするような物語を想像していたけれど、この作品に至っては日常生活にほとんど役に立つことのない異能力が数多く登場するなかで、上手く高校生たちの生活に溶け込んで独創的な展開が楽しめる作品だったので、新刊が発売されるたびに楽しく読ませてもらいました。
作者のこれからの活躍も楽しみにしています。

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こちらも面白いので是非読んでみてください。