《あらすじ》
恋人への未練を断ち切りたくてシェアハウスに入居を決めた大学2年生の加賀悠士。しかし引っ越し初日に目の前に現れたのは、ズバリその未練の原因である元カノ・氷室真冬だった。他の住人の手前、シェアハウス内で二人の関係はヒミツ。でも真冬がお酒を飲むと甘えだすことや、おやすみのキスが好きなことなど、元カノだから知ってる一面に気持ちは揺れる。誰も見てないところでおんぶをねだったり、こっそりスキンシップを図ったり、真冬もぐいぐい迫ってくるので他人のフリは思った以上に難しい。「悠士のことが好き。わかれちゃったけど、好きだから」元カップルのやり直しラブコメ、開幕!
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かつては恋人同士で同棲をしていた悠士と真冬。しかし、些細なすれ違いや上手くいかない同棲をきっかけに別れた二人がシェアハウスという形で再会を果たし、自分たちのなかに足りなかったものに気が付き始め、お互いに自分を見つめなおし再び歩み寄り始めるストーリーがとても丁寧かつラブコメチックに描かれていて夢中になって読んでしまいました。
もちろんシェアハウスで偶然再会したときは気まずさが先行してぎこちない関係や少し距離を置いた関係が続いていましたけれど、ひとつ屋根の下の生活圏内にいる都合から頻繁に顔を合わせるなかで言葉を交わす機会が生まれます。別れたとはいえ、未練の残る別れ方をした手前、少なからず好意も残っていたけれど、「復縁はありえない」くらいの壁があったと思います。
上手くいかない同棲生活がきっかけで言葉を交わす機会も減り、誤解を生んだまま別れることになったかつての二人の関係は、シェアハウスをきっかけにじっくり腰を据えて話し合うことで誤解も解消でき新たな関係をスタートすることができましたけど、それでも復縁とはならず。
二人の同棲生活の問題点が本当に細かい細かい部分でしかないけれど、小さいストレスがイライラに繋がりそれが喧嘩の発端となり好意が目減りしていく原因になる。そんな共同生活の難しさが作品を通じてときには真剣に向き合い、ときにはひとつ屋根の下で暮らす距離感でイチャついてラブコメをエンジョイする作品に仕上がっていて、『大学生』という大人の生活様式でしか描かれないラブコメの良さがあってとても面白かったです。
個人的には1月オススメのラブコメ作品なので興味のある人は是非読んでみてください。