《あらすじ》
佐藤さん、ついに学校の友達が--!?
夏が終わり、二学期が始まった。元の日常に戻った佐藤さんは「文化祭までに学校で友達を作る!」と決意を新たにする。
狙うはクラスメイトで演劇同好会会長の五十嵐澪! 文化祭の準備を通して彼女に接近する佐藤さんだが、どうしても彼女は心を開いてくれない。どうやら彼女は過去の因縁から佐藤さんを敵対視しているようで……?
一方、そんな佐藤さんをハラハラしながらも陰から見守る押尾君。彼にも、佐藤さんに近づけまいとする邪悪な影が忍び寄る――。
甘くてしょっぱくて苦い!? 大人気青春ラブコメ第四弾!
学校では『塩対応の佐藤さん』としてクラスメイトからも距離を置かれている佐藤さん。人付き合いが苦手で不器用な彼女が押尾くん以外にも仲の良い友達を作ろうと努力する奮闘を詰め込んだ佐藤さんメインの物語でした。
これまでは押尾くんと佐藤さんのまだ付き合いたての恋人同士が季節ごとに恋人らしく青春を謳歌している光景や交友を深めるといった二人の関係を軸にした物語が多かった印象だったので、「そこを切り込んでいくか!」という驚きがまずありました。
佐藤さんに関しては、誰に対しても塩対応をしていることで交友関係の99%が押尾くんといっても過言ではないくらい同世代の友達がほぼ0。それでも、押尾くんのお店でもアルバイトや押尾くんと付き合ってからの数々のイベントを通じて培ってきたコミュ力を武器に周囲の後押しもあり、勇気を出して自分から一歩踏み出す後ろ姿を我が子を谷底に突き落とすような想いで眺めさせられました。
押尾くんと一緒にいるときの素顔がクラスメイトの前でも出せるか。『塩対応の佐藤さん』という負のイメージを払拭できるのか。佐藤さんの努力の軌跡と成長が目撃でき、最後には感動のクライマックスが待ち受けていてとても心暖まる物語でした。
個人的にはシリーズ4巻中で一番好きなお話でした。