働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ゲート SEASON2 自衛隊 彼の海にて、斯く戦えり (2.謀濤編<上>)

ゲート SEASON2 自衛隊 彼の海にて、斯く戦えり (2.謀濤編<上>) (アルファライト文庫)

《あらすじ》
累計600万部突破! 大人気の「自衛隊×異世界」ファンタジーの海上自衛隊編、文庫化第2弾上巻! 鎧鯨との死闘を生き延び、特地碧海で行方不明になったジャーナリストを無事保護した海上自衛隊特地担当統括官の江田島五郎一佐と、部下の徳島甫二曹。任務を終えた彼らはアルヌスへと帰還し、報告のために日本へ戻ることになった。更にティナエ共和国プリメーラ姫達もまた、様々な思惑を抱えて訪日を決断する。そして『門』を越え、舞台は日本へ――

伊丹たちが現代日本と異世界を繋ぐ門を再び開くことに成功し、現在では門を開く時間を限定的にすることで安定化に成功しているにまで至る。
かつて、多くの自衛官が深く交流を図った異世界人たちが今作でもたびたび登場することとなり、海上自衛隊に所属する徳島を始めとする仲間たちと協力関係を築き上げている姿にはGATEシリーズのファンにとっては嬉しさがこみあげてくる光景でしかないです。

海上自衛隊の特地を担当する徳島たちが日本が誇る文明の利器を駆使して、異世界では脅威となっている水生生物“鎧鯨”を相手に甚大な被害を受けながらも激戦の末に勝利をするまでの展開もこれまでに経験したことのない戦局の連続で最高に胸が熱くなる内容でした。
魔法が実在する異世界で独自の生態系をたどった生物なだけに高度な知性を有していて、現代日本の技術の粋を尽くした海上自衛隊の戦力をもってしても未知の状況に立たされることも多く、それでも現状を正確にとらえて目の前の敵を打破するところが本当にすごかったです。

プリメーラの祖国を脅かす海賊たちの問題を解決するために訪日を決断し、日本と異世界の間にある政治的な関係を無事にクリアして海上自衛隊の力をかりるために奮闘するプリメーラたちの姿も見どころです。
日本国内の政治家やジャーナリストたちの思惑、そして日本にだけ出現した門を巡る世界各国の野心が絡み合う情勢下。プリメーラたち異世界人が訪日する間、シェリーや望月紀子の助言をもとに試行錯誤しながらどうやって自分たちの思い通りに世論を誘導するか行動を起こす姿からそれがもたらした結果が詳細に描かれていて、小説のなかでリアルにシミュレーションをしているような臨場感があって読みごたえがありました。

次の文庫版の新刊も楽しみにしています。