《あらすじ》
月村響、高校2年生。彼は、カーストトップに君臨する超絶リア充である。彼の周りには同じく飛び抜けた存在である友人達がいつも側にいた。雑誌の専属モデルを務め、常に響に寄り添う牧田奏。スタイル抜群で男子に抜群の人気を誇る千代田静玖。誰しもが認める衝撃的な美少女、薬師寺ココ。そんな彼女達と学生生活を満喫していた響だったが、カーストにまつわる問題を解決するため、クラスのオタク女子・桐谷羽鳥を「プロデュース」することになり……?
他者の物差しでランク付けされ、時に理不尽な問題を引き起こす「カースト」。
そんなカーストに反旗を翻したリア充による青春ラブコメ、ここに開幕!
“スクールカースト”
明るくて可愛い男子に人気の女子、部活動でエースポジションの男子……。他人よりも優れた要素を持つ高校生たちは自然とスクールカーストの上位に集うこととなり、いわゆるアニメオタク、陰キャ、容姿に自信のない人たちはスクールカーストの下位に属する。
そして、スクールカーストの上位と下位の間には自然と隔たりが生じてしまう。
きっかけはスクールカーストの上位に位置する藤代亮介がクラスのオタク女子・桐谷羽鳥に好意を抱いたこと。桐谷羽鳥をスクールカースト上位にランクアップさせ、藤代亮介と対等のポジションに立たせることで二人の仲を取り持とうとする。
スクールカーストを青春ラブコメの物語に落とし込んだ作品たちはこれまでにも数多く目にしてきましたけれど、「スクールカーストをぶっ壊せ!!」くらいの沸々とした熱量でアクションを起こす物語はなかなかに斬新な切り口の作品だと思います。
この物語の主人公でありカーストトップに君臨する彼女持ちかつ超絶リア充の月村響がスクールカーストを恨むにまで至る過去については作中で明かされる事実なので割愛しますけれど、“学校”という閉鎖的空間がもたらす自然発生的な悪意のえぐさが濃縮されているエピソードでした。
オーバーラップ文庫のラブコメ系作品はなるべく目を通すようにはしていますけれど、「王道だけど一癖あって印象に残る」ところが本当に好きです。
純粋にこの物語の行く末が気になるので、続巻が楽しみです。