働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ねぇ、もういっそつき合っちゃう?幼馴染の美少女に頼まれて、カモフラ彼氏はじめました

ねぇ、もういっそつき合っちゃう?幼馴染の美少女に頼まれて、カモフラ彼氏はじめました (HJ文庫)

《あらすじ》
恋人よりも近い幼馴染との偽装カップル……のはずが!?
「恋人のフリなんて簡単!」なはずの幼馴染が互いを意識し始める、ドキドキ満載ラブコメ!!
オタク男子・真園正市と、学校一の美少女・来海十色は腐れ縁の幼馴染。
いつも正市の部屋に入り浸っている十色は彼にとって家族同然でしかないはずだった。
そんなある時、恋愛関係のトラブルに嫌気がさした十色に頼まれ、正市は彼氏役を演じることに。
元々ずっと一緒にいるため、カップルのフリも簡単だと思った二人だが、相性抜群の幼馴染が偽の恋人で終わるはずがなく――
「「――ヤバい、手を繋ぐだけで普通に恥ずかしい……」」
恋人超えの幼馴染による想像以上に刺激的な恋人生活が始まる!!

家は隣同士。いつも正市の部屋に入り浸って一緒にゲームをする間柄で小さい頃からの幼なじみ。
中学校を機に別々の道を歩み離れた二人だが、地元の高校に正市が進学をしたことで再び二人の青春が始まる。
「はっ、十色が可愛い?(部屋のなかではズボラだしぐうたらしてるのに……)」

高校生になった二人はクラスでも対極に位置する存在。
オタクで昼休みはマンガやソシャゲーに時間を費やす正市、学校一の美少女で男女問わず人気者の十色。
年相応に恋愛に興味を持ち始めた高校生たちが十色に向ける視線。あらためて身近にいた幼なじみの凄さを認識させられ抱き始めたコンプレックス。自分のなかの幼なじみに抱いている想いと十色にふさわしい男へと成長しようとする向上心の高さに、清々しいくらい青春を謳歌する甘酸っぱさがあって気持ちの良いラブコメ作品でした。

恋愛関係のトラブルに嫌気がさして『(偽)恋人を作れば多少は治まる』という打算もあって付き合い始めた正市と十色だけれど、体に染みついた“幼なじみ”の習性が抜けきらずに「あの二人、付き合いたてにしては仲が良すぎないか?」と疑われるくらいに通じ合っている感じを臭わせる描写がとにかく上手かった。
個人的に好きなワンシーンは『お互いに食べ物の好き嫌いは把握しているから無言でおかずをトレード』する92ページ(挿し絵付き)のシーンですね。あそこに正市と十色の関係の深さの全てが詰まってると感じました。

昨今は『幼なじみは負けヒロイン』なんて失礼なことを言う作品もあるとかないとか。
改めて『幼なじみヒロインの良さ』を実感させられる素晴らしい作品だと思いました。

イラストレーターの塩かずのこさん。
最近ですと『VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた(ファンタジア文庫)』、『無自覚チートの箱入りお嬢様、青春ラブコメで全力の忖度をされる(電撃文庫)』などで活躍をよく目にしますけれど、キャラクターのイラストも可愛いかったですし、凄く記憶に残っている方だったのでイラストを見てすぐにわかりました。
これからの活躍も楽しみにしています。

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