働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

転生王女と天才令嬢の魔法革命4

転生王女と天才令嬢の魔法革命4 (富士見ファンタジア文庫)

《あらすじ》
転生王女・アニスフィアのため、王位継承権を得て王になる道を選んだ天才令嬢・ユフィリア。想いを確かめ合った二人が掴んだ、幸せな生活。「いいじゃないですか、キスぐらい」「……これ以上、好きにさせてどうしたいのさ」
ユフィは政務を、アニスは研究をしながら、未来に向かって歩み始めていた。その中で、政敵として立ちはだかったのは魔法省。真意がわからない彼らだが、新しく研究仲間が増えたアニスの魔道具開発が冴えわたり、事態がみるみる改善していく!
さらに、従者のレイニとイリアの関係にも進展が!?
王宮百合ファンタジー、幸せいっぱいの第四幕。

魔法を深く愛し、魔法に憧れを抱く少女がそれでも掴みとれなかった魔法を諦めきれずに編み出した魔学の概念。
魔法を既得権益としてきた貴族たちの地位を揺るがす魔道具の存在により、少しずつ世界が変わりゆく。
「たとえ魔学が発達しても、それで魔法が廃れ、精霊への信仰が失われてはいけない」
魔法を深く愛するアニス、世界をより良い方向へ導くために魔道具開発に勤しむアニス。相反するように見えて、これまで反発の強かった魔法省との軋轢も和解の方向へと歩み始め、“革命”という壮大な規模で世界が変わりゆく姿の細かな部分をとても時間をかけて描かれているので、思わず作品の世界に夢中になってのめりこんでしまうくらいに読み応えのある展開でした。

これから魔道具が発達していくであろう世界、これまで魔法と精霊を信仰してきた人々が辿るであろう未来。
政治の中枢にいるキャラクターたちだからこそ懸念する革命後に生じるであろう課題が核心に迫るくらいリアリティのあるものになっていて、それも“革命”に至るまでの過程を丁寧に作り上げた土台があってこそ感じられるものだと思いました。

シリーズ第4巻は魔法に憧れたアニスがもたらした魔学の道のひとつの集大成が描かれているといっても過言ではないくらい最高の1冊だったと思います。
オススメの百合ファンタジー作品なので興味のある人は是非読んでみてください!!