働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

推しが俺を好きかもしれない

推しが俺を好きかもしれない (富士見ファンタジア文庫)

《あらすじ》
クソみたいな現実でも、推しさえいれば生きていける。
俺の推しは、ネットで人気の音楽ユニット『満月の夜に咲きたい』のボーカル・U-Ka(ユーカ)だ。
ある日、彼女の配信に映ったのは――学校一可愛い俺のクラスメイト、花房憂花(はなふさ ゆうか)だった。
クラスメイトとはいえ、推しのプライベートにオタクが干渉しちゃ駄目だ!
なのに、なぜか花房は俺に近づいてきて!?
「ちょくちょく、遊びに来るから」
立場を超えた交流が始まり、俺一人だけだった放課後の部室が、推しと二人の空間になっていく。
俺しか知らない推しの一面がだんだんと増えていき――
人気ボーカルと、陰キャオタク。格差があった二人が近づく、両片想い青春ラブコメ。

www.youtube.com
f:id:murabito1104:20210824001532p:plain
f:id:murabito1104:20210824001619p:plain



「やだこいつ私のこと好きすぎじゃない?」
「俺が好きなのはボーカルのU-ka(ユーカ)であって、花房憂花ではない!!」
人気ボーカルの女の子のプライベートの秘密を偶然知ってしまったことで始まる主人公との関係。
「俺なんかが推しと一緒に出かけてパパラッチに遭遇したらどうするんだ!!」
推しのボーカルとクラスメイトになっても、「推しのプライベートに関わっちゃいけない!!」という固い意思のもとただのクラスメイトの距離を保とうとするスタンスが、陰キャで奥手でオタクらしさを煮詰めたような主人公像でした。
そんなオタクな主人公の固い意思も、秘密を知られたことを機に「こいつの前でならU-kaを演じずに普通の女子高生の憂花でいられる」ことへの居心地を良さを覚えて、毎日のようにこっそりと放課後の部室で二人が楽し気に過ごしている光景が繰り広げられていて、最高に青春を謳歌している感じがありました。

推しとの放課後の部室でのひと時も日が経つにつれ、二人の間に芽生え始めた感情をきっかけに関係が変わり始める。
「この胸の痛みの原因は……、なかなか治らない肩こりだなー」
ーー胸に感じる痛みの正体は自覚しているけれど、他人に頼って寄りかかる生き方をするわけにはいけない……
「推しが俺を好きかもしれない」
ーー推しのプライベートにオタクが干渉しちゃダメだ!!
両片想いの二人の青春ラブコメ。放課後に二人だけで過ごす時間があたりまえになり、そんな時間に居心地の良さを感じ始めるなか、好きな相手と一緒にいるときのドキドキ感や抑えきれずにあふれ出る感情にあたふたするところに最高にラブコメしていて楽しめました。

今年読んだ作品のなかでもトップクラスに面白かった新作だと断言してもいいし、自分のなかでは5段階評価で☆☆☆☆☆星5個の最高評価でした。
推しの作品には是非とも売れて欲しいです。


bookwalker.jp
川田戯曲(ライトノベル)の作品一覧|電子書籍無料試し読みならBOOK☆WALKER