働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

みんなのアイドルが俺にガチ恋するわけがない

みんなのアイドルが俺にガチ恋するわけがない (GA文庫)

《あらすじ》
「君のように虹を浴びて影が勝手に動くことを、分裂現象と呼ぶ」
夜に虹がかかる不思議な島「夜虹島」では、虹に降られた者は自分の影(レプリカ)が勝手に歩き出す伝承がある。そんな島で俺こと瀬武継陽はある夜、自分の影(レプリカ)を追う元人気アイドル恵麻久良羽に出会った。分裂現象に悩む彼女を助けるために協力を申し出るも、「男の人と馴れ合うつもりはないから」と俺の話に耳を傾けない久良羽(オリジナル)。一方で……
「継陽くんだけは、アイドルのクラウが恋愛してもいい唯一の男の子」
俺へ好意を寄せるクラウ(レプリカ)。まるで正反対な態度を見せる二人の久良羽(クラウ)は、どっちが本物の想いなのか――!?
女の子の本音は厄介でかわいい!?
恋を隠せないギャップラブコメ。

みんなのアイドルが俺にガチ恋するわけがない | GA文庫

“分裂現象“により別の存在“レプリカ”となった自分の本音。自分のレプリカが勝手に歩き出し、少しずつ侵食していきやがて本物へと成り変わる。それを乗り越えるためには、自らの本音と向き合わなければいけない。

夜に虹がかかる『夜虹島』で起こる不思議な現象が作り出すオカルト的な世界観。そして、レプリカの存在に直面したときに現実と向き合い、自らの過去を乗り越えて一皮むけていくまでのドラマ。
出会った頃は突然不思議な現象に巻き込まれた事実を受け入れきれずに主人公の説得にも応じれずに対立していた二人が手を結び、刻一刻とレプリカからの危機が迫る状況を乗り越えるまでのストーリーが最高でした。

『答えは自分のなかにしかない』
どれだけ手を尽くしても最後は当事者である自分自身の力でしか分裂現象を解決できない。シンプルな解決方法だけれどどこまでも実現が困難なシチュエーションが最終的に待ち受けるレプリカの存在への焦燥感を掻き立てさせてくれて、最後の最後までハラハラドキドキの気を抜くことのできない展開の連続でした。それだけに、無事エンディングを迎えて乗り越えられたときの達成感とラブコメ感が感慨深かったです。
この先、ますます面白くなること間違い作品なので続巻が出たら是非とも読んでみたいです。



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