働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

センパイ、自宅警備員の雇用はいかがですか? 2

センパイ、自宅警備員の雇用はいかがですか? 2 (GCN文庫)

《あらすじ》
タマ宅に身を寄せて五ヶ月、自宅警備員志望のレナはお試し雇用の身から、はれて正社員に昇格した。
季節はクリスマス目前、男女の一線を超える予感を二人が共に抱く中、レナの実姉である椛はついに妹の失踪を知る。
唯一の手がかりは実家に残されたレナのノートPC。そこに残されていたものは――

ーー「堕ちるときは一緒ですよね?」

ネトゲで知り合った、顔も名前も年齢も知らない五年来の友人のもとへの家出。
家族にも告げず、学校にも通うこともせず、社会のレールから大きく外れたレナの決断はとても厳しい人生を歩むことになりかねないが、それでも自らの家庭環境からの逃げ出すためにくだした決断となる。
そんなレナの決断を受け入れ、未成年の女子高校生を家に住まわせ同棲を継続するタマの決断は社会的にも倫理的にも明確に誤りであり、周囲の人間に知れ渡ったときの制裁リスクを背負う。
レナはタマに依存という関係で居続け、タマはリスクを承知でレナを住まわせる。
たとえ人として間違えていることをわかっていても、間違えた選択肢を選び続ける。
タマとレナの関係の異質さと人生の破滅を承知で続ける二人の和やかな雰囲気とのギャップ。そして、ネトゲの世界で育んできた友人関係からリアルの世界の友人となった二人が同棲生活の先にたどり着く関係がどのようなものになるのか。
社会人主人公×家出(元)女子高校生の同棲生活が物語としてどのような結末をたどるのかが純粋に気になってくる作品でした。
主要キャラクターたちが抱く価値観の根底となるバックストーリーもしっかりと描かれていて、それがよりいっそう現在の物語の展開への肉付けとなっていて、とても臨場感あふれる内容となっていました。
新刊が待ち遠しいです。



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