働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

隣の席の元アイドルは、俺のプロデュースがないと生きていけない

《あらすじ》
転入してきた元アイドル・香澄ミルは普通じゃない。
「初めまして。あなたの瞳を独占中! みるふぃーですっ」
「いつもありがとう! サインは制服でいいかな?」
 抜群のスタイルに、宝石みたいな瞳。何より日常生活とかけ離れたこの圧倒的なアザトさが異様だ。――と思ってたら。
「あれ、いまのファンサで真っ赤にならない人、初めてかも」
「ねえ君、私を"普通"の女の子にしてくれないかな」
 そして始まるプロデュース。週末の娯楽探しや、文化祭。香澄に普通の高校生活を教えるにつれ「そこそこ」だった俺の日常も変わっていき……これは俺と彼女の、青春と再出発の物語。


元アイドルグループのセンターで女優でファッションモデルの香澄ミル。
天性の才能とたゆまぬ努力で芸能界で人気を博した彼女が目指したのは、ごく普通の高校に通い、ごく普通の女子高生としての生活だった。
長い芸能生活がたたって日常生活への適応力0なミルをサポートすることになった主人公と共に歩む青春物語といった作品でした。

香澄ミルがこれまでの芸能生活によって育まれることのなかった“普通”に重きを置いた物語となっていて、アイドルとしてトップに上り詰めた香澄ミルと、ごく普通に義務教育課程をたどって高校に進学したクラスメイトとの価値観や考え方の違いといったところをフォーカスしていて、読んでいてとても興味深い作品でした。
ヒロインの“アイドル”としての肩書きを用いると、『アイドル=美少女としての人気の象徴や世間の評価』のようなことが多い印象でしたので、面白い路線の切り口で物語でまず「どんな物語が展開されるのだろうか……」と好奇心が刺激されました。
蓋を開けてみたら、香澄ミルとクラスメイトの衝突、香澄ミルがアイドルを辞めるに至った事件などなど。主人公と出会ったことで“普通の女の子”へと少しずつ変わっていき、二人の青春がかけがえのないものになってくドラマチックな展開が素晴らしい作品でとても面白かったです。



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