《あらすじ》
白き魔道士の覚醒は、世界に新たな波紋を広げる――
無慈悲な神のルールという制限下、リスクを負ってでも大切な人たちの窮地を救うべく武力介入を決めたリオ。
己が眷属であるソラ以外の誰もがリオのことを覚えていない筈の状況で、しかし、彼女は確かに口にした――「リオ」と。
一方、ガルアーク王国で暮らす美春たちの下に現れた人物は……
「やあ……また会えたね、美春」
七賢神リーナが遺した仕掛けが廻り始める中、恋心を燻ぶらせる炎の勇者の予期せぬ来訪がもたらすものとは……?
“超越者”の域に至り、神のルールがもたらす制限から大切な人の窮地への介入へリスクを負うことになる。
これまでの旅路でリオが救ってきた人たち、仲良く団らんのひと時を過ごしてきた人たち、そして彼に好意を持っていた人たち。
全ての時間が無かったものにされ、リオの存在が抹消され記憶も都合のいいように改竄されて忘れ去られている状況が醸し出す焦燥感。
このシリーズも20巻という大台も突破して、主要キャラクターの個性や魅力が育っていただけに、リオの陥った境遇を追体験したときの胸をざわつかせる感覚がすさまじかったです。
しかし、そんな状況に光明を見出したセリア先生の活躍。先の見えなかったリオの現状を打破する唯一の手立て。それに関連して、異世界召喚された勇者たちの力の真髄に迫る展開へと徐々にシフトしていき、急展開に次ぐ急展開で加速度的にリオたちの物語が面白くなっている感じでした。
シリーズ第22巻にわたる長編異世界ファンタジー作品ですけれど、毎度毎度すごく面白くて個人的にも全く中だるみを感じない作品ですね。