《あらすじ》
「別れたい」
高校1年生の冬、「人に優しく」を心がける宮本優太は、恋人の浅川由美に別れを告げられた。
モデルとして活躍するユミは、幼馴染の優太よりも若手俳優を選んだのだ。
そして現在。
失恋の傷も癒えない中で、良好な関係を築いていたはずの後輩の黒咲茜からは「そんなのだから彼女ができない」と、
度々通うメイドカフェの推し・ルリちゃんからは「奴隷みたい」と罵倒される日々。
いつも優しくするから舐められ馬鹿にされる――。
自分に嫌気がさした優太は元恋人、後輩、推しに対して絶縁を宣言するが、散々馬鹿にしてきた彼女たちの反応は予想と違って！？
「小説家になろう」で人気の新時代の”ざまあ”系ラブコメ、開幕！
すれ違い系ラブコメの新ジャンルの一つにも思える“ざまあ”系ラブコメ作品。
主人公・宮本優太を想い何気なく投げかけていた言葉の数々が彼を傷つけ、やがて堪忍袋の緒が切れて爆発する。
幼馴染みで恋人の浅川由美とは別れたのち幼馴染みの縁も切り、学年の違う教室にも足しげく通う後輩の黒咲茜は拒絶し、メイドカフェで推しで個人的なSNSの繋がりのあった女の子との交流も避け……。
主人公に好意を抱いていたヒロインたちの言葉が全て裏目に出て、これまでの好意が全て憎悪へと反転する地獄の展開。
ヒロインを泣かせ、叫ばせ、地獄に叩き落す。
そして、主人公との関係性がリセットどころかマイナススタートになるなか、再び主人公と向き合ったことで関係性を取り戻す。ヒロインと読者の精神がリンクするところが面白かったです。
しかし、個人的には『絶縁』→『和解』に至るまでのエピソードが全体的に薄味でトントン拍子に流れが進んでいく感じが否めないので、もう少し物語全体に肉付けが欲しかったです。
幼馴染みに絶縁を告げてまで崩壊した関係性を修復させるまでのドラマがコンパクトにまとまりすぎて、やや違和感があるというか……。
面白かったですけど、個人的に“ざまあ系”で期待していた作品だっただけにいろいろと感じることがありました。
