働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

僕は七度目の人生で、怪物姫を手に入れた

《あらすじ》
家族の何者かに殺され、そのたびに同じ日に戻ってしまうヒューゴ。
家族への復讐を決めた七度目の人生で出逢ったのは、「怪物」と噂される美しき少女・メルトレーザだった。
「本当に……この私に身売りをしても、後悔しませんか?」
明かされる彼女の正体。しかしヒューゴの凄惨な半生を知ったメルトレーザは、彼を何よりも愛し陶酔するようになる。
しかも「怪物」の一族の目は、ヒューゴに隠されていた力をも引き出し、狂った人生を次々と変えていって――!?
「あなたはもう、一人じゃない。この私が……家族がいます」
最厄の少女とはじめる、狂瀾やりなおしファンタジー!


家族からの愛を受けられず、虐げられ、唯一やさしく接してくれていた人からは裏切られ……。
1週目の人生で殺され、2周目の人生でも殺され、殺されるたびに過去へと戻り新たな人生を歩み、そのたびに殺されてきた主人公が7週目の人生で手に入れたはじめての幸せ。
最愛の女性との出会い、これまで触れることのなかった家族の温もり。
人生の絶望を幾度となく味わって主人公が自らの人生を捧げ、心の底から尽くす姿勢が“怪物”と称される美少女・メルトレーザの心を動かし、二人の幸せな生活がスタートする。

メルトレーザとの出会いに至るまでのドラマや主人公が家族に抱く憎悪の感情、そして7週目の人生を繰り返してきた知識と経験。
これまで成し遂げることのできなかった家族への復讐へ舵を切ったときにあぶり出てくる貴族の世界の闇の深さと人間の悪意がひしめきあう地獄の様相が容赦なくたたきつけられてくる作品でした。
《復讐》に関わるダークで命のやり取りを繰り広げる展開、最愛のメルトレーザとの甘々な言葉を交わす光景の二面性のある生き様が描かれていて、なかなかに刺激的でした。
純粋に物語の根幹にあたる家族への復讐への道筋は興味深いですし、目の前に立ちはだかる敵と衝突して死線を繰り広げる手に汗握る展開も面白いですし、全体的な完成度も素晴らしい作品です。
小説家になろう1位の帯宣伝はあまり信用していませんでしたけど、文句なく面白かったです。

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