働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

恋は双子で割り切れない4

《あらすじ》
那織を部屋に泊めたことが親にバレた! しかもあいつ、下着をわざと忘れて母さんの目につく場所に仕込みやがったっ!! いや、落ち着け。考えるんだ白崎純。明らかに疑われているが、実際そういうことはしていないんだから。

だがこの一件を知った琉実は言う。
「あの日できなかった続き、しよ?」

そして日増しに積極的になる那織。
「我慢出来なくなったって良いよ」

もう引き返せない場所へと踏み入ってしまった実感がある。だが僕はまだ、どう向き合うべきか答えを出せていない。
そんな中途半端な態度のせいで、那織と衝突して喧嘩に発展してしまう。琉実が仲裁に入ろうとしてくれるが、さらなる一波乱があり……?

「……私にも同じことして」
「……私が最初になりたい」

双子の姉妹、那織と琉実。二人と幼馴染みの純。
家が近所で仲の良かった三人の関係が恋心をきっかけに歪が生じ、男女の仲が深まるにつれてより大きな歪となって感情を奮い立たせる。

「(那織・琉実)とはどこまでしたの?」「(那織・琉実)にしたことと同じことをして」
恋人であることの証を刻み込むような恋愛感情の表現のしかたで迫ってくる姉妹を目の前に、どちらと付き合ったらいいのか、はたまたどちらと距離を置かなければいけないのか。姉妹からのアプローチを受け流しつつ、いつか想いに応えないとわかりつつも先延ばしにする。
ゲームのセーブ&ロードのようにやり直しのきかない人生の選択を迫られ、悩みもがき苦しむ主人公の切ない境遇がちょっぴりセンシティブな展開とともに描かれていて、読者としてもとても悩まされる物語でした。

ご都合主義のハーレムルートをとるでもなく、リアリティーのある恋愛観が含まれているだけに、恋人として付き合うのならどちらを選ぶのか。どのような形であれ応えを導き出した先にある結末が気になる作品です。
三角関係を描いた青春物語ではかなり素晴らしい作品だと思うので、ちょっと不純な恋愛ものが読みたい人にはぜひともお勧めです。

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